グループレッスン 14

土曜の午前10時から始まるグループレッスン。今回の参加者は12名。ウエルナー教本第1巻「指の練習」を重点的にやった。最初は1本の弦のみを弾き、次に隣接する2本の弦を行ったり来たり、移弦しながら音程を正確に取るエクササイズ。

              
同じ音を繰り返す場合、指はいちいち離さず押さえたままにする。隣の弦を弾いて、また戻って同じ音を弾く。その際、指の頭は立てぎみにして、ピンポイントで弦を押さえる。指先をベターっと寝かせてしまうと、隣の弦に接触して余計な音が出る可能性がある。

指の形や押さえ方が良いか悪いかを、先生が一人ずつチェックして回られた。私のところに来られたら、4の指を押さえてみよとのご指示。先生の前でやってみたら、若干緊張して小指が突っ張り気味で硬くなってしまった。指の関節をなだらかに曲げて小指全体がカーブを描くようにとのアドヴァイスを受けた。 ここで先生は、先生の師匠である金沢のルドヴィート・カンタさん直伝のコツを話してくださった。

指板に対する左手の指の角度のつけ方が問題で、日本では指板の上端から見て斜め右下方向に指が斜行して弦に接するか、弦と直交する水平方向に指を構えて弦を押さえるように指導するのが普通である。多くの教本の写真はそうなっている。しかし、カンタ師匠によると、それは不自然な構えで、むしろ左手の掌を上側に向け、奏者から見て指を左下から右上に傾斜させて弦を押さえるのがいいそうだ。ビオラ・ダ・ガンバ奏者がやっている構えである。

こうすると、1の指の拡張はたやすくなるし、4の指の位置も弦に接近してくるので、指の丸みをキープしながら弦を押さえるのが容易になる。小指が指板に接近する姿勢を取るのは理にかなった方法だが、カンタ流は、親指がネックの付け根に来る4ポジ以上になると使えない。ハイポジションではカンタ流の逆方向に手が向くので、1〜3ポジまではカンタ流、それ以上は平行→逆カンタの形になる。

ポジションの上昇とともに、左手の向きは、左ひじを中心にして扇形に移動する。この動きは人間の関節の構造にかなった合理性がある。カンタ師匠は、演奏中に身体に余計な負担をかけない弾き方を提唱しておられるそうだ。負担がかかる姿勢で弾いていると、弾きにくいし、腱鞘炎などの故障の原因にもなる。しかし、カンタ流は日本では普及していないので、教師によってはダメ出しする可能性がある。先生は私が別の教室でもレッスンを受けていることをご存じなので「臨機応変に対処して下さいね」と内緒話をなさった。

この角度で4の指を押さえると確かに楽だが、その際、指の力だけで弦を押さえようとするのではなく、腕の重み全体を小指の頭にぶら下げる感じで、弦を腕全体で引っ張るようにして押さえるのがコツ。それをするためには、ネックの裏側にある親指は、しっかり竿をつかむ必要はないので、軽く接触させておけばよいとのご指導であった。

個人レッスンの先生からも、私の親指はネック裏に深く入り過ぎると言われている。もっと浅く軽くネックに添わせるように注意されているのだが、親指が多少長いので、ついついネックの下をぐるっと取り巻くように這わせて、ネックを握るような形にしてしまう。それを修正する必要性はわかっているのだが、癖を抜くのはなかなか・・・




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