ギヨームの松脂

弦楽器専門店はいっぱいあるが、弓の専門店となると数えるほどしかない。 都心にある希少な弓屋さんの店主から勧められた松脂はギヨームだった。ギヨームはベルギーの新作弓メーカーで日本では評価が高い。かつて私もギヨームの金弓や銀弓を使っていた時期がある。現在は、彼のセカンドブランドのJPベルナールが手元にある。ギヨームが出した松脂のことは知っていたが、木製の丸箱入りで、中身より容器の方が高いんじゃないかと思って手を出さなかった。

しかし、アルミ缶の簡易パッケージ版もあるので使ってみた。粒子が細かい感じで、音に透明感があるのがいい。同じように粒子が細かいベルナルデルだと、音が若干くぐもってくるのだが、ギヨームにはそれがない。シャープにピントが合うのに、音色がよく練れていてシルキーな細やかさがある。

ギヨームの松脂は緑色の布で包まれているが、この布地はボロでダメ。 裁断面からどんどん崩れてくる。あたりに糸くずが散乱するのはいただけない。そこで昔のクロネコのケースから、松脂を包んでいたセーム革を取り出してギヨームに装着して使うことにした。40年以上も前のことだが、ミランクロネコはセーム皮に包まれてアルミ缶に入っていた。
その後、赤いプラスティック製の蓋付容器に変わったが、初期にはまだ松脂はセーム革で包まれていた。しかし、まもなくしてペラペラの布に変わってしまった。ついこの間のことのような気がするが、アルミの容器に入った黒猫を知っている人は多くはないだろう。






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