発表会は続く〜個人レッスンの発表会

よく晴れた日曜日、JR某駅前の公会堂で開催された発表会で弾いてきた。 個人レッスンでお世話になっているA先生のお父様の教室が主催したイベント。12時半から20時まで、途中20分の休憩があっただけというハードなスケジュールだった。

12時半から16時までが子供の部。17人の子供が出ていた。この発表会は子供が主役で、大人の部は付録みたいなもの。余った時間を使って、レイトスターターの人たち15人ほどが16時から20時まで、舞台で弾くことになっていた。

会場の小ホールは定員600人弱。客席には70名ほどの聴衆がいた(たぶん、ほとんど全員がお教室の生徒の親御さん関係)。ビデオカメラやら、デジカメを載せた三脚が客席の中央あたりに林立状態だった。

舞台に出ていた子供の年齢は3歳から20歳まで。全員、暗譜で弾いていた(大人の部では全員が楽譜を見ながら弾いたので対照的)。

一番年長の20歳の男子は2歳からチェロをやっているそうで、ポッパーのハンガリー狂詩曲などを達者に弾きこなしていた。ハイドンハ長調の協奏曲(1楽章)を暗譜で弾いた中学生ぐらいの男子も上手だった。

とりわけ面白かったのは3歳から5歳ぐらいの児童たちの演奏。どの子も七五三の晴れ着みたいな格好で登場し、あどけない顔でスズキ教本の1巻、2巻あたりを弾いていた。子供用の分数楽器を使っていたので音色はイマイチだったが、リズムと音程は、後で聞いたレイトの大人たちよりも精度が高かった。

出演者の中で最年少は3歳の女の子。小さなチェロを持って、トコトコとステージに出てきたおちびちゃんが、ちゃんとお辞儀をしてから「きらきら星変奏曲」を弾き始めた。出だしは好調で音程も正しくて感心した。だが、変奏曲が進むうちに、ご当人はどこを弾いているのか分からなくなり(いわゆる落ちるというやつ)、演奏はストップ。ピアノ伴奏の先生がいろいろときっかけを出してくださっていたが無反応。どうなるのかと客席で聞いている側も固唾を呑んで見守った。30秒だったか、それとも1分ぐらいだったか、しばらく沈黙が続いた後、何とか曲を思い出したようで、最後はそれなりに弾いて終わった。暗譜で弾かされているので、途中で頭が真っ白状態になったのだろう。自己責任でけじめをつける厳しさを、あの年齢から学んでいるのだろうか。演奏後は、けろっとした顔で、ちゃんとご挨拶をしてから袖に戻っていった。

続いて登場した4歳ぐらいの男の子は表情が豊かで、曲の簡単な部分ではうれしそうな笑い顔。難しい部分ではしかめっ面と非常に分かりやすい。客席の最前列にお友達が駆け寄ってきたら、演奏しながら満面のニコニコ状態。暗譜で弾いているので、客席の様子を観察しながらのパフォーマンスを披露していた。この年代の子供がチェロを弾く姿は、ほんとにかわいかった(10歳ぐらいの子になると、ちょっとすました顔で弾くようになる)。

ソロ演奏は各自2回ほどの出番があり、全部で29演目と長丁場だった。その後、子供だけのチェロアンサンブルをやった。3歳から中学生ぐらいまでがずらりと並んで、教本の1巻、2巻、3巻のメドレーを弾いた。皆さん、見事にそろっていたので唖然としてしまった。スズキメソードの教室の発表会では、こういう光景がお決まりのパターンらしい。ソロを弾く際には、舞台の袖でおとなしく出番を待っていられず、はしゃぐので付き添いのお姉さんたちを困らせていたちびっ子が、合奏になると、ぴたりと息を合わせてくる。たいしたものである。

3時間の発表会が終わってから、ピアノの先生とチェロの先生への花束贈呈があり、記念撮影をやって、子供より親が盛り上がる年に1度のイベントは無事終了したのだった。

その後、大人たちの発表会が始まった。ちょっとびっくりの情景を見ることになった・・・(続く)





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