グループレッスン 33

いつもの狭い練習室とは違う会場での開催だった。駅から若干遠くなるが、スペースで2倍、高さ方向で1.5倍ほども広かった。

そういう大きな空間で、最近出番の多いドイツ剛弓を試してみた。意外にも剛弓というほどの硬さや強さはストレートに表に出てこず、適度にぬめりがあって、懐の深いスプリング性能を持つ弓という印象だった。

自宅や楽器店、いつもの練習場のような狭い空間で弾いた時は、音色の生っぽさや、頭がヘビーなバランスに由来する難しい弾き心地といったマイナス要素が目立ったのだが。この個体に関しては、粗くもあると思えた要素が、空間の広さが要求してくる強い発音性能と均衡して中和されたようだ(演奏したのがウエルナーのような繰り返しの多いシンプルな練習曲だったことも無視できないが)。使う場所との関係で、弓のパフォーマンスに対する印象は変わってくる。1本あれば、どこでも万能という弓は存在しないから、弓の評価は難しいものだと思う。

レッスンの方は久しぶりにウエルナー、ドッツァウアーを真面目にやった。この頃は、メンバーの皆さんが達者に弾かれるので、どんどんテキストが進んでゆく。初見では滑らかに弾けないレベルの曲をさらうようになったから、予習は必須である。「前回、この曲を一人ずつ弾くようにと言いましたっけ?」みたいなプレッシャーを、さりげなくS先生はかけてこられる。

その後、S先生は余った時間で生徒さんから質問があった「ヴィブラート」のかけ方の講習をしてくださった。といっても、最後は人それぞれのかけ方があるから、いわく言い難いという話で終わってしまった。「ヴィブラートはこころでかけるものです!」と、カンタ師匠から言われたとか・・・。

途中で、先生は私に話を振ってこられた。個人レッスンではどう教わったかというご質問だった。

私は「具体的にどうこう教わった記憶はございません」とお答えした。

S先生「そうそう!ヴィブラートは教えてもらえないものなんですよね〜♪」

各自、それぞれ研究して覚えなさいということらしい。

音を揺らす場合、ピッチを上にずらすか、下にずらすかという質問も出た。「ヴィブラート」のかけ方のお話の最初のころは下方向にと仰っていたような気がするが、今度は上にずらすかなぁ〜みたいな、あいまいな回答。 ケース・バイ・ケースなのだろう。

いわゆる「縮緬ヴィブラート」は、音程が上ずる方向でかけると出やすい。そのためヴィブラートは下方向に(ペグボックスの側に)指を戻しつつ揺らすのが無難という話を、かつて音大出の知人から教わったことがある。その時は、バイオリンのヴィブラートのかけ方に関する話だったが、たぶんチェロでもそうなのだろう。

本日の最後は6月1日の発表会で披露する団体演技の曲目についての話し合いになった。男性陣は「風の名前を教えて」に決定。女性たちもミュージカルか何かの曲をやるらしい。

男女合同では「アヴェ・ヴェルム・コルプス」をやることになった。

私に割り当てられたモーツアルトの第1チェロの譜面はト音記号。S先生は、大変だからオクターブ下げて弾けばよいと仰った。音域からみて、チェロよりもバイオリンで弾いた方がやさしい。どちらの楽器で弾いてもOKと先生が仰るので、私はチェロアンサンブルに、一部バイオリン持ち替えで参加することになるかもしれない。






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