ピアノ三重奏演奏会を聴いた

グループレッスンが終わったのが12時。急いで帰宅して楽器を置き、駅の近所にある小ホールに出かけた。14時から開演のピアノ三重奏演奏会に参上するためだった。

ピアノ・トリオ ル・クレール(光のトリオ)という名前のユニットは、2011年から震災復興チャリティーコンサートを継続している。メンバーの女性3人は、地元オケと関係が深いバイオリンとチェロの先生方。ピアニストはバイオリンとチェロも弾くそうで、地元にあるもうひとつのオケにバイオリンで参加している。

毎回、支援者の女性が手作りしている衣装を着用して舞台に出てこられる。今回は着物用の生地を使った淡い色調の桜柄のドレスでシックに決めておられたが、ピアニストだけは真っ赤な提灯袖。桜に赤いコクリコを取り合わせたような鮮やかさだった。

彼女たちの演奏を聴くのは2回目になる。1回目は昨年12月、グループレッスンを主催しているオケのチェロ弾きさんたちのクリスマス発表会。次々にお弟子さんが登場するので、チェロの先生はハラハラして落ち着かないご様子。ゲストで同オケのバイオリン弾きも数人出演したから、そちらの先生も来られていた。チェロやバイオリンのピアノ伴奏は、提灯袖の先生がなさった。

生徒さんたちの発表が一段落してから、光トリオがベートーヴェンピアノ三重奏曲「大公」の2楽章を披露してくださった。私は最前列のかぶりつきで見ていた。生「大公」は初めてだったので勉強になった。その後、いろいろと「大公」のCDを買いあさったものだ(お気に入りは、リスト音楽院のオンツァイ教授のチェロ、ヤンドー教授のピアノ、西崎崇子さんのバイオリンによる録音。ハンガリー政府から貸与されたゴッフリラを弾いているチャバ・オンツアィの演奏を聞きたくて買ったCD。端麗辛口。清潔でニュアンスに富む)。

で、今回の演奏会のチラシには、ベートーヴェン ピアノ三重奏曲第7番「大公」とだけ書いてあった。今度は全曲演奏を聴けると思い、いそいそと出かけた。ところが、現地でもらったパンフレットには・・・



1、美しき青きドナウ

2、アヴェ・マリア(バッハ=グノー)

3、四季より「春」(ヴィヴァルディ)

4、セレナーデ(ポッパー)

5、道化師の朝の歌(ラベル)

6、ピアノ三重奏曲第7番「大公」第1楽章


            〜休憩〜

7、さくらさくら

8、春の小川

9、山田耕筰シリーズ  「からたちの花」「待ちぼうけ」「この道」「中国地方の子守歌」「赤とんぼ」

10、小さな世界(シャーマン)

11、ブエノスアイレスの春(ピアソラ

12、リベルタンゴピアソラ


   ・・・とあり、お目当ての「大公」は第1楽章だけ 。そういえば、チラシには「曲目は予告なく追加されます。あらかじめご了承ください」とも書いてあった。

演奏曲目の多くはピアノ三重奏用の編曲版で、オリジナルの譜面どおりだったのはベートーヴェンだけ。気楽に楽しめるようにとの配慮で、こういうプログラムになったのだろう。 80人ほど入る客席は満席。子供も何人か来ていた。お子様たちはお行儀も良く、おとなしく聴いていたので助かった。

この小ホールでは、私は最前列の右から3番目に座ることが多い。ちょうどチェロの目の前でよく見えるからだ。今回も、一番前が空いていたのでいつもの指定席に着席できた。演奏者までの距離は2mもない至近距離である。「大公」が1楽章だけだったのは、ちょっと残念だったが、イタリアの巨匠スカランペラのチェロを近くで眺めながら聴かせていただけて大満足。

いつものように、休憩時間にはお茶とお菓子が配られた。アットホーム的な雰囲気が好印象な会場である。休憩時間中に出演者は衣装を着替え、後半は3人ともきらびやかなファッションで登場した。

チケットの売り上げ収益は被災地に送られるそうで、昨年のコンサートでは収益金と会場での募金の合計27万が、地元新聞社の厚生文化事業団をとおして送られた由。





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