「知恵まっと」はいい感じ

チェロを弾く時に気になるのが椅子の高さと座面の角度。低すぎても良くないし、安楽椅子みたいに座面が背中側に向かって低くなる傾斜が付いているのも具合が悪い。

自宅では高さ調整が可能なピアノ椅子でチェロを弾いている。また、個人レッスンを受けている教室でも、毎回、部屋に置いてあるピアノの椅子を借りる。しかし、グループレッスンは、時々ピアノのない場所でやることがあって、そういう会場には会議用の椅子しかないから困ってしまう。

そこで思い出したのが、地元オケのチェロの人たちが使っている小型座布団風の品物。みなさん、椅子の上にM字形をした座布団のようなものを敷いて、その上に座っておられた。

リハーサルの休憩時間にチェロの席を見たら、ズラリと並んだスチールパイプ椅子の座面上に、赤や青や黒の座布団みたいなのが、ちょこちょこと並んでいた。その正体は「知恵まっと」という商品だった。

ポリエステル100%のカバーの中身はクロロプレンゴムとポリイソプレンゴムの2層構造で、硬度の違うゴムを張り合わせたものが入っている。一見、柔らかそうに見えるが、実際は座布団のようにソフトではなく、かなり硬めの板状ゴムマットである。

商品説明によると、平安貴族の知恵「手座布団」をヒントに、筋肉と骨の関係に着目し開発された疲労を軽減する画期的なハイテク座布団とのこと。厚さは10mmと15mmがある。ためしに15mmを取り寄せてみた。 

使い方は、椅子に「知恵まっと」置き、その上に座るだけ。お尻にあたる部分が厚くなっていて、ふとももの下に来る部分は薄手になっている。これを椅子に乗せてやると、座面がやや前方向に向かって傾斜することになり、自然に背筋がシャキッと伸びる。会議椅子みたいに座面が背中側に向かって下がっている場合は、これを置くことで水平に座ることができる。チェロを弾く姿勢が楽になる効果があるのだ。

先日の練習では、ありふれたパイプ椅子にこれを乗せて3時間チェロを弾いた。本当に全然疲れなかった。最初は硬いゴム製品だが、使っているうちに体の曲線になじんで変形し、使い勝手がよくなるそうだ。

高さは最大で15mmだから、大幅な座面高の調整は出来ない。座面が低い場合は、パイプ椅子を二重に重ねて使うことになる。ピアノ椅子があれば特に必要性は感じないが、体に合わない椅子でチェロを弾く時には役に立つ。一つ持っていても悪くない。ちなみに、より小型の類似品と比べ、これは折りたためず、かさばるためチェロケースには入らない。大きい分だけ座り心地もいいので、性能を取るか、持ち運びの利便性を取るかは、一長一短。







にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村