チェロのレッスン 61

スズキ教本第4巻4曲目のチャイコフスキーシャンソントリステ(悲しい歌)」の2回目。テノール記号はまだ苦戦中。この音、なに?っと、時々考えてしまう。前回、指使いを教えてもらったので、音程は取れるようになった。

問題はボーイング。このところ音階練習ではマルテレ奏法(ガッツリ弾いて大きな音を出す弾き方)中心にやっているのだが、 「シャンソントリステ」はその反対。ピアノ、メゾ・ピアノ、ピアニッシモが主役である。ダイナミックレンジが狭く設定された音楽で、真綿で首を絞めるみたいに徐々に音量を絞ったり、少し上げたりを繰り返す。耳元でささやくようなソットヴォーチェが要求されるので、デリケートな弓使いが求められる。譜面はシンプルでも、ガサツな雑音を入れずに弾くのは簡単ではない。

冒頭、Dの四分音符が5つ並んでいるところは、中弓で始め、徐々にクレシェンドしてゆく。以下、同じ音形の場所も同様。18小節からの下降音形では、17小節のDの四分音符4つを中弓で弾き始め、18小節に入ったら弓先〜中弓のあたりで弾いて行く。

21小節も中弓で始め、22小節の2拍目までは全弓で弾き、3拍目のCからは先弓〜中弓で弾いて弓を節約し、次の23小節A音を中弓で弾き始める。この辺は、弓の分量配分をよく考え、力を溜めて芯のある弱音を出す工夫が求められる。pだからといって腑抜けの弱音を出していいわけではなく、むしろ、奥の方に芯のあるアルデンテの弱音を出すことが肝要。

25小節にクレシェンドの指定がある。ここから29小節のf指定まで、pで開始して息の長いクレシェンドを続ける。ぶつ切りになってはいけない。なめらかにクレシェンドを継続するのは難しく、途中で息切れしそうになる。

29小節でfになってもまだ強音のまま。31小節の最後でディミヌエンド指定があるところまでfのまま。32小節で音量を絞るが、34小節から再びクレシェンドになって37小節まで音を膨らませ、38小節から再び、音量を絞ってゆく。波が寄せたり、帰したりといった風情のチャイコ節が、いっぱい出てくる。

41小節から元に戻って冒頭と同じ繰り返し。61小節のppは先弓で駒からかなり離れた場所を弾き、67小節のpppではさらに駒から離して指板の端末の上を弾いて音量を絞る。消え入るように、はかなげに曲を閉じましょうとの指導だった。

曲名で検索すると数人の方のレッスン記録がヒットした。各々の先生から指摘された注意事項が書いてある。どれも思い当たる内容で参考になる。


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