グループレッスンの自主練

今日はグループレッスンのS先生は欠席。近隣の町民センターで開催された自主練に参加した。13日の本番に備えて、オッフェンバックの二重奏曲の追い込みである。遅参や早退の方がいたものの、本番に出る12名全員がそろった。この他に応援の2名も加わった。

午前中は年長組と年中組の2つのグループに分かれ、それぞれが別々に合奏練習をした。チェロの演奏技術の進み具合が違うため、年長組には外部からの応援隊も付いてスローテンポでやっていた。一方、年中組は本番でのテンポで通して弾いた。同じ曲をさらっていても、同室内で音が混ざって、ちょっと不具合もあったが、しょうがない。

昼休みにT氏が、持参したエレキチェロを出してくださった。彼はイタリア新作とジャーマンオールドの2本を持っていらっしゃるから、合計3本の所有はグループ内最多。チェロの格好をしてない骨組だけの機械で、Y夫人は「食べ終わった後の焼き魚の骨みたい」と形容していた。なるほど、そんなふうにも見える。さっそくY夫人が試奏した。別置のアンプで増幅されてスピーカーから流れてくる音は、彼女の楽器(鈴木ヴァイオリン製のチェロ)によく似ていた。電気的なエコーも加わるし、音量はヴォリュームのつまみを回せば、いくらでも大きくなる。Y夫人はエレキチェロをすっかり気に入ったようだった。

続いて私も弾いてみた。エレキチェロを弾くのは今回が初めて。最初、自分の弓で弾いてみたが、さっぱり音量が出ない。アンプで増幅しても蚊の鳴くような貧相な音。Y夫人が弾いた時はかなりの音量が出たのに、大違いである。どうなっているのだろう?T氏がこの楽器用に使っているカーボン弓に変えてみたが、相変わらず鳴らなかった。弓圧が軽すぎたのだろうか?私はエレキチェロとは、相性が悪いことは分かった。

昼休みの時間中には、いつも差し入れをしてくださるM夫人の太巻き寿司や、その他のおやつのお菓子もいろいろ出てきた。私も熊本県産のお菓子(黒棒)を持ってきた。袋にくまモンの絵があるやつ。メンバーの中に奥さんから「くまモン」と呼ばれている人がいるため。ご当人は、昼食のデザート(?)なのかアンパンかなにかをほおばっていたが、食品がいっぱい並んだのでニコニコ。ご機嫌だった。

午後からは年長組と年中組の合同練習に切り替えた。本番当日の席順を決めて、その通りに並んでもらった。午前中の練習の成果が出て結構きれいに合った。初めのうちは、前列の端にいる私がキューを出していたものの、いまひとつアンサンブルが緩くて集中力にかける。皆さん、お互いに譲り合っているというのか、ご近所をあてにしているような感じ。そこで、私はチェロを置いて前に出て指揮をしてみた。

上の声部と下の声部の2部に分かれ、同じメロディを交互に受け渡す場面などでは、身振り手振りで合図をすると、互いの役割分担(主役とわき役)をはっきり自覚してもらえ、メリハリが付いてきた。弱音指定の箇所でぐっと音量を絞る場面でも、体を丸めて小さくなったフリをすると(小澤征爾の真似)、さっと音が弱まってドラマチックな表情が出てきた。これならお客さんの前で弾いても全然大丈夫というレベルに仕上がった。本番当日、私はチェロを弾くより指揮した方が、全体の結果はいいかもしれないと思った。みなさん、自分のことで手いっぱいだから、周囲の音を聴く余裕があまりない。きっかけを出す人間が前にいた方が弾きやすいようだった。

15時半で全体練習は終了し、残りの時間は個人練習となった。メンバーの中には、お仕事の都合で週末しかチェロに触れない方がいらっしゃる。練習時間が取れないため進捗が遅れ気味なので、17時まで集中的にこの方と練習をやった。他のメンバーは三々五々帰って行ったが、Y夫人と私が最後まで残って特訓。ピアノを弾くY夫人はソルフェージュが上手で、美声で歌いながら音程とリズムの確認をやってくださった。これでだいぶ助かった。今日は9時から17時まで8時間の長丁場だった。









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