いせはらフィルハーモニーオーケストラを聞く

わたしが住んでいる街のアマオケコンマス(プロの先生)がメンコンを弾くというので、伊勢原まで演奏会を聞きに行った。いせはらフィルは創立してから7年目という。最初、伊勢原交響楽団という名称でスタートしたが、すぐに内紛が起こって分裂。新たにフィルハーモニーが発足して再出発したのを覚えている(交響楽団は消滅)。小人数でのスタートから定期演奏会の開催が可能になるまで、いろいろあったのだろう。演奏を聞くのは今回が初めて。

曲目はブラームス「大学祝典序曲」、メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲」、シューマン交響曲第4番」。2管編成の室内オケという感じでバイオリンは8、8、ビオラ7、チェロ5、コンバス4という陣容。バイオリン16名中の7名がエキストラ。チェロは団員2名で残り3名がエキストラ。コントラバスも似たようなもので団員は1名しかいなかった。トラが多いせいか弦は上手。チェロセクションを観察していて、弾ける人の肘が下がっている点に注目した。左手も右手も肘は低い位置をキープしている(脱力するとああなる)。イマイチの人の肘は高めだったので、その差は一目瞭然である。以前、左肘を上げて弾いたほうが上手そうに見えると書いてある誰かのブログを読んだことがあったが、私には逆に見える。

管楽器も達者な人が揃っていた。小型オケゆえアンサンブルの精度は良好。音の濁りが少ないのがよかった。出演者の服装は男性は黒スーツ、女性は色とりどりのロングドレス。舞台は艶やかでお花畑のよう。

指揮者はベテランの方で、毎回、舞台袖から相当な速さで駆け込んで登場したのには驚いた。要するに動きがエネルギッシュでもっさりしてないのだ。身振り手振りが大きくてわかりやすい。全身を使って音楽を表現する。客席から見ていても気持のいい指揮ぶりだった。

バイオリン協奏曲でのソロは細身の音ながら上品でエレガント。いつもニコニコしているお人柄が音に出ていて、円満な解釈はメンデルスゾーンにピッタリだった。使用楽器はイタリアモダンのValentino de Zorzi(1861)。高音の甘い音色と、ふっくらした中低音が魅力的で、美音を堪能させてもらった。
シューマン交響曲も目立った事故もなく適正テンポで端正に弾かれていた。アンコールはルロイ・アンダーソンの小品。手慣れたものでよく歌う。若いオケだが技術水準は高く見事な出来の演奏会だった。(しかも入場無料♪)




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