弦楽アンサンブル #4

今回からエルガーの「弦楽セレナーデ」が始まった。7月16日の最終日まで、合計6回の練習で仕上げるスケジュールが組まれている。前回までやっていたバッハ「ブランデンブルク協奏曲第3番」は、エルガーと並行してもう3回やって終了する。

エルガーが書いた弦楽アンサンブルのための音楽は「弦楽セレナーデ」と「序奏とアレグロ」が有名である。私は別の弦楽アンサンブルでどちらも演奏したことがある。「序奏とアレグロ」は悪夢のような曲で超難しかった。

こちらのアンサンブルでもエルガーをやることになり、あらためてスコアを眺めた。チェロはシンプルな刻みが多い。きれいなメロディはもっぱらファースト・バイオリンの担当である。特に第2楽章ラルゲットは「愛の挨拶」とともにエルガーが書いた優美なメロディの代表例といわれる。憂いを帯びた叙情的な旋律を弾かない手はない。

ということで、エルガーではチェロからファースト・バイオリンに出張することにした。バッハとエルガーを同じ日にやる時は、チェロとバイオリンを持って行く。

ブランデンブルク協奏曲第3番は、バイオリンは3部に分かれる。エルガーはファーストとセカンドの2部。つまり、バイオリンセクションは途中で席替えをする。その際、私はチェロからバイオリンに移動することになる。ひとりだけ楽器を持ち替えてコソコソと動くことにならずに済む。

事務局から私の移動を聞いておられた指揮者の先生は、エルガーでバイオリンを弾く人が、バッハではチェロに戻るとは思ってなかったらしい。バッハもバイオリンに変更するのだろうと予想していたそうだ。いえいえ、バッハではチェロを弾きますよ。あの曲は、どの楽器も同じメロディを弾くから今から楽器を替えても面白みはない。それにバッハは低音を効かせてブンブンと弾きたいし。

今日は第1楽章をさらった。全体合奏の前にファースト・バイオリンだけで30分間のパート練習があった。途中でパート内が2つに分かれる。アウト側とイン側の希望を取ったら、女性は全員高音域を弾くアウト側を希望した。男性は私を含めて3〜4名いるが、皆さん、どちらでもOKというので、男は全員が低い音域を担当することになった。女性は高音キラキラパートがお好きなようだ。

コンミスの先生のご指導でリズムの修正や弓順の確認、アクセント記号の付いている音とsf(スフォルツアンド)記号のある音の弾き方の違いなどを教わってから全体合奏になった。

指揮者からもスフォルツアンドの弾き方の注意があり、ガシッと弦を噛ませて強く弾いた直後に圧力を抜いて音を伸ばす弾き方のコツを習った。その他、後半の終結部近くで同じフレーズが3度くり返して出てくる箇所で徐々に音量を増してゆく表情の付け方とか、細部に関する具体的な弾き方の指導があった。

初めての合わせだったが、1時間ちょっとの全体練習が終わるころには、本番のテンポでスムーズに流れるようになっていた。いつものように各パートのトップにはプロが座っている。達者な人が多いアンサンブルだから、形がまとまるのは早い。今日は新メンバーが数名紹介された。このところ、毎回のようにバイオリンとチェロに新規の人が加わっている。大所帯になってきたので舞台が狭く感じる。




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