チェロのレッスン 127

バッハ「無伴奏組曲第2番」の2回目。プレリュードには3回ずつ同じ音形のフレーズが繰り返される箇所が何度かある。5小節+6小節、7小節+8小節、9小節+10小節の3回。18小節〜20小節。33小節〜35小節など。3という数字は三位一体に通じるためバッハが好んだ数でもある。ということでそういう箇所を弾く際には、徐々に音量を増すとか3を意識した弾き方を工夫するとか、何か仕掛けた方がよろしかろうという話になった。

S先生が急に数字の話を持ち出されたのは、最近あったオケの演奏会で先生が通奏低音を担当された詩篇第51番『わが罪を拭い去りたまえ、いと高き神よ』BWV.1083(ペルゴレージの『スターバト・マーテル』をバッハが編曲したもの)の出演者の歌手から、そういう神聖数「3」にまつわる解釈を聞いたからだそうだ。

バッハが自分の名前の綴りを数字に読み替えてカウントした合計数14
(B=2、A=1、C=3、H=8  2+1+3+8=14)を好んで使ったという話のたぐいはよく聞く。最晩年の「ロ短調ミサ」の研究書にも同様の数字にまつわる指摘はいっぱい出てくる。無伴奏チェロ組曲第1番のプレリュードも、あの曲は14小節✕3で出来ていて、横山真一郎さんによれば「バッハ(14)が神(3)の栄光を讃えている」意味になるという。http://bachmubansou.blogspot.fr/2014/10/blog-post.html

組曲第2番のプレリュードはまだフィンガリングをいろいろと微調整している段階なので、細部の表情を付けはもう少し先にする予定である。それまでは3の数字の意味付けについてはお取り置き。プレリュード最後の5小節をアルペッジョで弾くかどうかも検討中である。先生はここの重音は楽譜通りに重音のまま伸ばして弾くそうだ。しかし、最後の4重音以外を付点二分音符の通りに音を伸ばすと間延びするため、実際は短縮して(付点四分音符ぐらいだろうか)弾いていらっしゃるとのこと。確かにCDでもそういう弾き方をしている奏者がいる。作曲者の付点二分音符の指定を尊重するなら、3拍分の長さを正確に弾くべきで、そうなると分散和音しかない。

続いて2曲めのアルマンドのフィンガリングを見てもらった。4の指で取るCisの音程が指が伸びきらず低めになっているのを注意された。ハーフポジションで取るA線のBの音程も高過ぎたり低過ぎたりでどっちつかずなので要注意とのこと。1の指と4の指で取る音に♭や♯が付く場合は難しい。



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