弦楽アンサンブル #18

ベートーヴェン弦楽四重奏曲第14番を弦楽合奏で演奏する4回目。今回は4ページ余り388小節もある第7楽章を通した。

チェロのパート練習の時、「ベートーヴェンは何でこんな弾きにくい曲を作ったの・・・」と女性らがボヤいていた。ハ短調だから開放弦はほとんど使えないし、オクターブの跳躍も何度か出現。やたらと拡張が必要になるのでチェロにはありがたくない。ヴァイオリンだと半音は指の頭一つ分ずれるだけなのに、チェロはそうもいかない。4つの♯が厄介なのは確かである。相変わらずヘ音記号テノール記号が目まぐるしく交替してるし。他パートの音がない状態で弾いていると、チェロは合いの手を入れるような箇所が多いため何をしているのかさっぱりわからなくなる。

パートの指導をしているチェロの先生も「この曲は難しいですぅ〜」とため息混じりで話していた。全体練習では指揮者から「曲の最後が終止形になってない。亡くなる前年の作品なので少々頭がおかしくなっていたのかもしれない」などと。常人の発想というより彼岸の世界に通じるようなただならぬ気配を感じさせているといった意味だろう。アマチュアが気軽に演奏して楽しめる曲ではないし、聞いているだけでもシンドイ。

ヴァイオリンやビオラの音が加わると、ああそういうことかと分かってくるジグゾーパズルを組み立てるような音楽である。7つある楽章ごとに分けての練習は今回で終わり、次回、来年からは40分近くかかる大曲を全部通して弾くそうだ。体力・気力の勝負になる。

ベートーヴェンの後、クリスマスシーズン恒例の伝カッチーニアヴェ・マリア」(実際は1970年頃ソ連の音楽家ウラディーミル・ヴァヴィロフVladimir Vavilov 1925-73によって作曲された)を演奏した。えらくシンプルでわかりやすい。砂糖で包んだ果実か何かのような甘い音楽。



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