東京交響楽団の第九演奏会を聞く

昨夜はサントリーホールで第九演奏会を聞いた。オケは東京交響楽団、指揮者は秋山和慶、合唱は東響コーラス。去年末、同じ面々による第九を聞いて大変感心したので今年も出かけることに。

プログラムは例年どおり最初にヴィヴァルディの「四季」から「春・冬」をやって、その後に第九。昨年同様、秋山さんは端正な指揮ぶりで、サプライズはないけど安心感のある手堅い内容。第四楽章に入ってからは合唱団の上手さが際立っていた。東響専属のアマチュアコーラスとのことだが、他のオケが使う音大生のコーラスなどより気合が入った精度の高い合唱を聞かせてくれた。大人数なのにピントがシャープに合っていて凄い迫力。終演後にソリストらがコーラスに向かって拍手していたけど、お世辞抜きに素晴らしい出来だった。体を左右に大きく揺らし顔の表情も豊かに音楽を表現していた若いコンマス(水谷晃さん:桐朋学園在学中にVerus String Quartetを結成し、第57回ミュンヘン国際音楽コンクール弦楽四重奏部門で第三位入賞した経歴を持つ。日本の弦楽四重奏団の入賞は東京クヮルテット以来、38年ぶりの快挙として注目された。現在29歳)の姿も面白かった。ありがちな仏頂コンマスとは大違い。これまでにいろいろな楽団の第九を聞いたが、私にとっては東響の第九が一番後味がいい。

第九の後、恒例のアンコールで「蛍の光」が演奏された。指揮者が客席に向いて一緒の唱和となり、会場内が徐々に暗くなると、予め客席に出て通路に並んだコーラスのメンバーが、色とりどりのLEDライトを手に持って振る。舞台上のコーラスやソリストも小さな明かりを揺らす趣向。この情景がよく見えるオケの上手側の席(コントラバスの上側)で見物しながら、1年前と同様に暗闇の中で揺れる小さな灯りに今年の締めくくりを思う。天気予報では相当な冷え込みになると思われたが、都心の気温はそうでもなかった。




にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村

にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ
にほんブログ村