弦楽アンサンブル #28

今月から10月まで続くバッハ「管弦楽組曲第2番」の1回目。今日はフルート抜きで序曲の練習をやった。この曲、ヴァイオリンで乗るかチェロにするか迷った。どちらのパートも似たようなフレーズを弾く箇所が多い。ヴァイオリンと同じ細かい音型をチェロで弾くのはかなり忙しい。ということでヴァイオリンを持って練習場のホールに行った。指揮者の先生に挨拶したら「今度もヴァイオリンですか。椅子のセッテイングをする係が各パートの人数を計っているので、どちらの楽器にするか事前に連絡しておくように」と言われた。ギリギリまで迷っていたので連絡が遅れたのはまずかったが、当日の欠席者もいるから座る場所は何とかなる。今回も欠席者が出たのでいつもと同じ場所(2列目の内側)に座ってしまった。

全体練習の前にパート練習を30分やった。指導者のコンミス先生は、最初のゆるゆると弾く箇所からアレグロになった途端に倍速テンポで飛ばす。ここの弦楽オケの指揮者が採用するはずがない快速テンポである。ヴァイオリンで弾くのも大変な速度だと、チェロは崩壊する可能性が出てくるから、そんなに速くならないのだ。周囲のおばさま達はコンミスさんに必至に食いついて弾いていたが、案の定、全体練習ではもっと遅いテンポだった。CDなどで聞くピリオド派の演奏はやたらと速いけれど、王侯貴族の御前演奏で曲芸的なスピード感を売りにした演奏がもてはやされていたかどうか、ちょっと疑わしいと思っている。

それはともかく、序曲の途中で6小節間、スタカート付きの四分音符が4つずつ並んだ箇所が何回か出てくる(56小節〜、64小節〜)95小節〜、120小節〜167小節〜)。コンミス先生によれば、そういうところは2小節で1単位だと思って弾くと収まりがいいそうだ。

全体練習に移ってからは能弁な指揮者がいつも以上に長話をしていた。

バロック弓の構造では音を伸ばして弾くのが不安定になるため、持続音は現代弓で弾く場合とは違ってくる。

② 低音楽器が伴奏というわけではなく、どのパートも対等に書かれていて、それぞれがぶつかり合うように弾く。

③ 前打音は8分音符として長目に弾く。この時代の前打音は、それが付いている音符を強調するのが目的なので、ロマン派以降のような装飾のための音符ではない。

④ 複付点音符という書き方がまだない時代なので、付点音符は複付点音符のつもりで弾く。タ〜ッタ、タ〜ッタと常に跳躍するイメージ。ベタ弾きではない。

⑤ トリルは上からかける場合と下からかける場合があるが、あまり厳密に言ってもしょうがないので、各自が弾きやすいようにかければよい。

序曲のヴァイオリンパートは概ね弾きやすく書かれているが、116小節のように妙な半音階が混ざる瞬間があって、ドッキリ。テレマンの曲のように平坦なまま推移しないところは、いかにもバッハである。弾きにくい箇所があるため、弓指定を変更するとのお達しが練習後にあった。指揮者から弾むように弾けとのリクエストが出たので、弓を決めるコンミス先生も迷っている様子だった。


にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村

にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ
にほんブログ村