ニューイヤーコンサートを見る

元日の夜はNHKの中継でウィーンフィルのニューイヤー・コンサートを眺めるのが恒例。あの番組を欠かさず見るようになって40年近くになる。団員の入れ替わりは毎度のことながら、なじみの顔が減って、その代わりに女性奏者が随分増えたようだ。それと団員の衣装がお揃いになっていたのに注目。指揮者も含めて男性は全員楽団のマークが入った白のネクタイをしていた。着ている服の統一感で思い出すのはパリ管弦楽のオシャレな制服だが、ウィーンフィルもTV映りを考えているのだろうか。

初登場のドゥダメルの指揮は若々しい切れの良さを期待したが、それほどでもなく、むしろおっとりしたところがあって、ウィーンフィルに合わせている感じがした。ほろ酔い加減で見るには悪くない。「美しき青きドナウ」では1964年から最近までの舞踊シーンを断続的に挿入していた。過去の映像とリンクさせるとは粋な演出をする。昔の映像を見るとニューイヤー・コンサートに出ていた指揮者の半数近くが物故したのを思い出す。マゼールカラヤンアバドクライバーアーノンクール、プレートル。

この中では1987年のカラヤンクライバー(89年、92年)が格別に面白かった。曲順を間違えて指揮棒を振ったのでオケが動かず音が出ない・・・一瞬照れくさそうに微笑んだカラヤンの顔は今でも覚えている。ちょっとした事故の様子はもちろんDVDではカット。記録されていない。

キャンセル魔のクライバーが出た年は、万一に備えてアバドが控えの指揮者になっていたとか。指揮台の上でヒラヒラと踊っているクライバーの様子もDVDで見ることが出来る。ハイテンションな演奏を見ていると、リハーサルがものすごく大変だったという話も、さもありなん。ああいうカリスマ的なオーラを放つ指揮者はもういなくなった。年年歳歳人同じからず。



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