緑の箱根路

マンションの住民対象チェロ演奏会でお世話になっているおばちゃん3名を車に乗せて箱根に行って来た。岡田美術館で開催中のアール・ヌーヴォーのガラス展を見るのが目的。まずは11時30分に予約してあった仙石原のイタリアンレストラン「アルベルゴ・バンブー」に向かう。道路がガラガラに空いていたため随分と早くに到着してしまった。この時期の箱根は桜が終わりアジサイはまだという中途半端な時期。観光客は少ないらしい。

イタリアから建材を輸入して建設した瀟洒な別荘風のレストランに行くのは3〜4回目である。久しぶりだったが、庭の樹木が大きく育って巨木の森みたいな雰囲気に、建物も適度に古色が付きイタリアの街並み風になっていた。玄関わきの花壇を見ると、土が粗っぽく掘り起こされ、花々が泥にまみれてひっくり返っていた。イノシシかアライグマがやってきて、地中の球根類を探した痕跡とのこと。

お料理は悪くはないがコストパフォーマンスが普通になった印象。以前はお値打ち感が素晴らしくて連れて行った客はだれもが感激していたのだが。相変わらず食器はジノリで統一しているし、インテリアは昔のままの上質さを維持している。料理も昔のままだったら値上げしなければやっていけないだろう。ランチはそうそう高くも出来ないから仕方ない。おばちゃん達は初めてだったから、かなり喜んでいた。

小涌園近辺にある比較的新しい私立美術館には2時前に到着。5階まである展示フロアの一つで開催している企画展の展示作品(ガレ、ドームのガラス)を、あれこれとお話ししながら丁寧に見て行ったら90分があっという間に経過してしまった。他の3フロアの見学は後回しにして、庭内にある茶店で休息することに。窓から見える新緑が瑞々しくて、都会の美術館では味わえない贅沢な時間を満喫した。東洋・日本美術がずらりと並ぶ常設展示室はざっと早足で駆け巡って美術館を後にした(丁寧に拝見すると3時間ぐらいかかる)。おばちゃんたちは美味しいランチを食べ、きれいなガラスを見て、往復の車中ではおしゃべりに花を咲かせてと、楽しい1日だったようだ。私は人を車に乗せて運ぶリスクを感じながら運転していたから、ご近所付き合いが無事に終わってほっとした。



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