アルチンボルト展を見る

上野の西洋美術館で20日から始まる「アルチンボルト展」のレセプションに行って来た。イタリア出身でハプスブルク宮廷で活躍した奇想の画家の代表作が来ている。しかし有名な4大元素は「水」と「土」のみが展示され、「火」と「空気」は今週末からの展示予定という。お出かけするなら来週以降がお勧めである。

この人の作品はアイデアで勝負しているようなところがあるから、グラフィックデザイン(印刷原稿)に近いのかもしれない。知らずに出会えたらそれなりのインパクトを受けるだろうが、画集などで事前に手の内を知ってしまうと、本物を前にしても既視感が強くてありがたみが薄い。いくつかの作品は印刷物で知っていたより色彩が鮮やかで「ほう〜」と思ったものもあったが。

展示場にはデッサン類も結構並んでいた。似たような小品が多いのでチラッと眺めただけで済ませてしまったが、レオナルド・ダ・ヴィンチのデッサン(本物)が3点も来ていた。地味な作品だし、参考出品の扱いだったから薄暗い照明の素描コーナーを丁寧に見た人はそれほど多くはないかもしれない。派手ではあるが空虚な雰囲気もあるエピゴーネンの作品が目立つ展示室の片隅にお宝が埋もれている。これから行く人は要注意である。アルチンボルトが博物画からモチーフを採用していたことをわからせる展示はよかったと思う。類似する手法を展開した若冲の絵が好きな人ならアルチンボルトも気に入るだろう。寄せ絵のコーナーには絵皿とメダルが置いてあり人だかりが出来ていた。男性器を寄せ集めて人の顔を構成した作品が鎮座していた。




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