動産保険の更新

チェロ弓にかけてある動産保険の満期が来月という更新案内状が保険会社から届いた。私はメインで使うフレンチモダンのチェロ弓とヴァイオリン弓(共に作者は同じで1890年ぐらいの作)に保険をかけている。とりあえず申込書に署名して返送しておいた。

昨日、知り合い(レイトのヴァイオリン愛好者)から、ミントコンディションのサルトリを買うつもりと聞いたから動産保険を勧めておいた。13年前にヴァイオリンを習い始めた知人は、キラキラ星段階の初期にモラッシ(お父さん)を使い、じきにイタリア・モダンに買い替え、その後も楽器のグレードアップをしているらしい。弓はアルシェの金鼈甲からスタートして、ギヨーム金黒檀を経て・・・と有り勝ちなパターン。最近、楽器屋さんから勧められたサルトリに一目ぼれした模様。ここ30年ぐらいの間に随分と値上がりしたメーカーである。アマチュア用としては高い買い物だろう。弓は折れやすく、折れたら資産価値はほとんどパ〜になる。保険に入らないと危ないよと話しておいた。

動産保険に加入する場合は、購入時の領収書と鑑定書のコピーが必要となる。購入額を大幅に超える評価額では原則受け付けてくれない。毎年の保険料は評価額の1%を多少超えるぐらい。自分が演奏していて急にヘッドが割れたとか、うっかり床に落として折った場合は保険金が下りるが、置き忘れ、置き引き(楽器から目を離したすきに持ち去られる。楽器屋さんに毛替えに預けて紛失とか)は補償されない。天災(台風、地震、洪水など)での破損も補償外。自宅に泥棒が入って盗まれた場合は、警察の証明があれば補償される。

私の場合、楽器本体は折れても割れても修理可能だから保険はかけていない。弓も新作弓にはかけない。昔、弓の破損事故が多発したことがあったらしく、弓の保険は保険会社が受けるのを渋ると楽器屋さんから聞いた(現在でも、某老舗楽器店のHPには「事故、偽物が多発する昨今、楽器、弓の保険を断わられるケースが増えております」とある)。簡単に入れる保険でもなさそうだったので、知り合いのヴァイオリン教師に代理店を紹介してもらって加入した。その先生は、小学校低学年相手のレッスン中に、椅子にサルトリを置いて「座っちゃダメよ!!」と念を押して目を離したら、子供がしっかりその上に座ってボキボキに折られたそうだ。「座っちゃダメよ」は幼い子供にとって誘惑の呪文。



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