チェロアンサンブル#46

今日は自主練の日だった。参加者は3名(女1名、男2名)と少なかった。チェロ4重奏用の楽譜集からショパンノクターン」とエルガー「ニムルッド」を合わせてみた。4重奏なのに3名しかいないから、私は足りないパートを兼務。「ノクターン」ではスコアを見ながら4番を弾き、3番に旋律が出てくるところは3番を弾くといった具合。「ノクターン」のショパンらしい甘いメロディは魅力的だった。エルガーでは1番を担当。ハイポジションからの7度の跳躍とかが続出で、だんだん音程が怪しくなってしまった。

今日は弓の購入を検討している人が来ていたので、休憩時間にしばし弓談義をした。お友達が最近50万の弓を買ったそうで、そのクラスを考えているらしい。今使っているのは30万弱の弓。そこからステップアップするなら2まわり以上の性能の弓、現在の相場なら80万〜100万ぐらいの価格帯で探せば明らかに良くなったと実感出来るものが見つかると思う。しかし30万から50万への買い替えでは、性能に際立った大幅な差は出にくいから、買い替えて十分満足出来るかどうかは微妙なところ。 弓は値段じゃないですよという意見もあるし、否定はしないけれど、掘り出し物を探すのはそれなりの眼力と運が必要になる。http://www.sasakivn.com/werkstatt/qa/bogenkauf.htm

もう一人の出席者が持ってきたギヨーム(銀黒檀)を見せてもらった。このメーカーらしく弾き勝手はよろしく音量を出しやすい。現在の国内定価は110万だという。ちょっと前なら70〜80万で買えた弓が随分と値上がりしている。

もう1本、オールド弓も持ってこられていたので、それも拝見。ラミー・スクールの1930年代の作という。鑑定書がないので詳細は不明だが、貫禄のある古い弓だった。ラミーというブランドには2種類がある。有名なアルフレッド・ラミーさんの系列と、JTL(ジェローム・ティブヴィル・ラミー)。後者は機械化による楽器の量産を手掛けた大きな会社、すこしマットな傾向の音の弓があったりする。お借りしたラミー・スクールは重音が柔らかく溶け合い、オールド弓らしい美点を感じた。毛を緩めた時の竿と毛の間隔が若干大きめに開いていたので、温めて反りを強めてやれば、メリハリのある弾き心地が戻ってくるのではないかと思われた。

私はスイスの作家Pierre-Yves Fuchsの銀黒檀とドイツのMichael Mönnigの金黒檀を持ってきたので、そちらも試してもらった。フックスはマイルドで含みのある重層的な音が出る。作家さんが一人で全部を作ったマスターメード弓は味わいが深い。一方のメーニッヒは華やかでゴージャスな音が出る。ドイツによくある家内工業的なコンポジットだろうか。フックスとは対照的なキャラクターといえる。メーニッヒも最近かなり高くなった。ドイツの楽器公社Migma(ミグマ)が扱うメーニッヒ、パウルス、デーリング、クーンラなどの弓は一斉に値上げされた。弓の大幅な価格上昇に驚いてしまう。



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