月下美人

うちのマンションの14階でサロンを主宰しているおばちゃんから数日前に電話がかかってきた。栽培している月下美人が今週中に開花しそうだから、咲いたら鑑賞会(宴会)をしましょうというお誘いだった。

で、今日の昼間、「本日20時30分ぐらいから開花が始まりそう。その頃においでください」との連絡。ところが19時ぐらいに再度電話がかかってきて、「もう咲き出したので早くお越し下さい」とのこと。

19時30分ぐらいに訪問したら、サロンの常連(同じマンション住民のおばちゃんたち)が集まっていて賑やか。月下美人は蕾が開き始め、3部咲きぐらいの状態だった。

奄美大島から取り寄せたという黒糖焼酎古酒(アルコール度数50度)をチビチビなめつつ、いろいろと歓談した。鉢植えの月下美人は地味な葉っぱの先端から30センチぐらいの長さの淡紅色の花茎がS字形に曲がりながら垂れ下がり、その先に直径15センチぐらいの白い花をつけている。2輪蕾が付いたそうだが、片方は開かずに落ちてしまったとか。残った1輪はゆっくりと開花が進み、22時ぐらいに満開になった。触れてみると花弁も花茎もしっとりと湿り気を帯びている。香りは強くなく、繊細な、ちょっと刺激臭も混ざった青臭い感じ。おばちゃんによると花の香が部屋中に広がる時もあるらしいから、個体差があるのだろう。

満開になった後、ガクだろうか、花の後方にあるピンク色の細い花弁みたいな部分が大きく反り返り、イナバウアー状態になってきた。まもなく白い花弁の先端が少し萎れて内側に巻き込み始めた。そのまま眺めていたら花全体がぐったりとくたびれた感じに。朝には開いた花が閉じて房状態(蕾みたい形)となり、だらーんとぶら下がるそうだ。

深夜0時を過ぎた頃に宴会終了。月下美人の花を拝見したのは今回が2度目。20年以上前に植物園で見て以来である。相変わらず気品ある純白の花は名前負けしない美しさだった。今日は花が徐々に開花してゆく様子を眺める珍しい体験をさせてもらった。おばちゃん達はスマホのカメラで逐一写真撮影を繰り返し、さっきはこうだったとか、徐々に変容してゆく花の姿を画面で確認していた。ちなみに、しぼんだ花はてんぷらとかにするらしい。花自体は無味とのこと。薄命な美人を食べちゃうなんて。




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