ヴァイオリン教室 #90

「新しいバイオリン教本第2巻」44番の「移弦の練習」の復習から。O先生は移弦を繰り返す箇所の練習方法として、移弦ではなく重音で弾く方法を推奨されていた。2本の弦を同時に押さえる場合、1の指にしても2の指にしても、一番いい音が出る指の腹の中心をどちらの弦に当ててやるかが問題となる。2本の弦の中間に指の腹が来ると、両方の弦を指の側面に近い部分で押さえることとなり、スイートスポットからちょっと外れる。

O先生が個別に生徒の左手の状態を見て回られたが、私のところでは、高音側の弦を優先するよう指示があった。つまりD線とA線を同時に押さえる時は、A線側に指の腹の中心が来るよう微妙に指を寝かせて重音を弾くのがいいとのことだった。音程を気にすると指の型が崩れるし、指の立て方を重視すると指の開き加減が狭くなって音程が低くなるので注意するようにとも。チェロで弾く重音は、指はベターっと横一列になる感じで押さえればいいが、ヴァイオリンは指のどの部分で弦を押さえるか、ピンポイントで音の強さや芯の有無、音色の明るさが変わってくる。それと柔らかいボーイングをしないと音が潰れて苦しくなる。弦に当たる弓の角度を一定に保つコツは以前に教わったけれど、毎度ながら重音は難しい。

休憩後は43番「ワニタ」を先生のピアノ伴奏で何回か合わせ、この曲は終了。続いて45番「アリア」もピアノ伴奏付きで弾いてみた。45番を練習するのは今日が初回。4小節目の付点四分音符を単なる四分音符として弾いた人が何人かいて、リズムの刻みが前のめりになっていた。自信たっぷりに弾いていたので、一瞬、私の方が楽譜を読み違えたかと思ってしまった。先生が模範演奏を披露して、この間違いはすぐに解決。冒頭から3小節まで長いスラーでつながった4つの十六分音符の2個ずつに小さいスラーが重複して付けられている。その箇所は、タラララではなく、タラ〜・タラ〜とため息をつくようなリズムで弾くようにとのことだった。

余った時間でポジション移動の練習をした。左手をシフトする際に、一般的にはガクガクと素早く動かす人が多いが、O先生はそういう固い動きは音に影響が出るのでよろしくなく、そんな悪い癖が付かないよう、なめらかにスルスルと(ふわっと)シフトさせる練習方法を教えておられた。1の指、2の指を滑らせる動きの繰り返しだが、指の動きが詰まらないよう柔らかく丁寧に滑らせる。ポジション移動がグリッサンドになるのを嫌う普通の指導方法とは、かなり違うやり方である。

今日は80過ぎの生徒さんが自転車に乗って練習会場まで来る途中、自転車同士の衝突事故に見舞われた。会場まで来たものの、手首が腫れあがってしまい病院に直行となった(幸い大事には至らなかった)。老女に衝突してきた中年男性はそのまま逃げ去ったという。

一昨日は、チェロ・アンサンブル仲間の旦那さんがスクーター(Vespa)で走行中、道路脇のビルの駐車場から一時停止せずにいきなり飛び出した自動車と衝突。前歯4本と肋骨を折る怪我をした話を聞いたばかり。相手は徐行して出たと警察に供述したが、後続車(タクシー)の運転手の目撃情報と車載カメラの記録映像で無謀な飛び出しが証明され、過失傷害罪になるという(免許取り消し)。被害者が救急車で運ばれて不在なのをいいことに、警察に嘘の言い訳をしたようだ。一方、気絶して救急車の中で気が付いた旦那の最初の言葉は「ヴェスパ、どうなった?」アンティーク・カーに乗る趣味を持っているので、気になったらしい。幸いにも脳に障害はなく骨折だけで済み、自宅で療養している。師走になって立て続けに衝突事故の話を聞くとは。交通事故に気を付けましょう。


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