チェロ・アンサンブル#76

今日は自主練。都合のつく3人が集まって年内最後の弾き収めをする予定だった。

公民館の部屋は13時から4時間分借りてあったが、12時45分に参加メンバーの一人からメールが来て体調不良で欠席とのこと。チェロ4重奏の練習だから3名でも3番パートが不在で困ったものだったが、2名になるとは。15分前では公民館の予約を取り消すことも出来ない。参加者2名で練習することになった。

 

このところ、このグループではヴィルヘルム・フィッツェンハーゲンのチェロ4重奏曲「アヴェマリア」をさらっている。毎度のことながら、他のパートの音を聞いて合わせる余裕がない状態が続いている。今日はそこをじっくり調整する予定だったけれど、残念なことになったと思えたのだが・・・

 

2番担当の私と4番担当の女性で合奏してみたら、意外にもきれいなハーモニーがからみあって全然不足を感じなかった。主旋律がない伴奏音楽であるのに、それほど不自然ではないとは驚き。二人とも古いチェロを使っているのでガサガサした粗い音が混ざらず、しっとりと落ち着いた音色で合奏を楽しめたのもよかった。二人だけだから、さすがに相手の音はよく聞こえてくる。時間が余ったから久しぶりにオッフェンバックのチェロ2重奏曲の第1番を合わせてみた。パートを入れ替えて2回弾いたけれど、これもいい感じ。さらに初見で第6番も合わせてみた。結果、2名での合奏は互いの音がよく聞こえるので勉強になって面白いという結論になり、また機会を作って2名の合奏を楽しむことにした。

 

今日来られた女性は、もともとヤマハ音楽教室で講師をしていた方だから音楽のことはよくご存じ。教えていた楽器はチェロではなかったが、われわれのアンサンブルの中ではチェロ歴が一番長く、おしとやかな落ち着いた演奏をされる。彼女の楽器は100年ほど前のドイツの量産品である。かつて私が持っていた楽器を譲渡したもので、久しぶりに弾かせてもらったら、ほの暗いビロードタッチの甘い音が出てくるのでビックリしてしまった。ハイポジションまで艶やかにストレスなく鳴り響く。私の手元にあった時とは大違いである。別の楽器かと思うほどだった。私が持っていた時はD線がちょっと大人しく、逆にA線が強く出過ぎる傾向があったが、そんなデコボコがきれいに消えて4本の弦のバランスが整っている。私がお世話になっている同じ工房で調整を受けているのに随分と様子が違う。

 

彼女は毎日練習しないと気が済まないそうだ。楽器の鳴りがいいのは弾き込んでいる結果なのだろう。私が持っていた時は2番目か3番目の予備楽器だったため、ほとんど弾いてやらずケースの中で眠ったままだった。たまに出しても眠そうなくすんだ音しか出ない。ある意味可哀そうな楽器だったが、今では目を覚まして本領発揮。昔のドイツの量産楽器にありがちな金属的な耳障りなところのない深みのあるしっとりした美音を奏でるようになってきた。

 

彼女が最近購入したお高いフレンチ新作弓とも相性がよく、楽器を毎日弾いて可愛がってやると音が育つものだと実感した。私の手元にあるセカンドチェロ(ドイツのミッテンバルトにあるレオンハルト工房の1996年製)は数か月に1度しかケースから出してやらない。相当にいじけていそう。明日にでも久しぶりに弾いてやろう。

 

今日はクリスマスの練習日だったから集まった他の2名のメンバーに差し上げる、ちょっとしたクリスマスプレゼントを用意していった。ドタキャンで1個余ったので私がもらうことにした♪

 

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