犬猫の人気は凄い

名古屋のヤマザキマザック美術館で開催中の「木彫りどうぶつ美術館、はしもとみおの世界」を見てきた。開館以来8年目になる美術館だが、この展覧会は1日当たりの入場者数が新記録更新中だそうだ。尻上がりにお客さんが増え続けているらしい。午前中に行ったが、チケット売り場に長い行列が出来ていた。そんな光景をあそこで見るのは初めてである。展示室内もお客さんでごったがえしていた。

作者の愛犬・柴犬の「月くん」(2002−2017)などをモデルにした犬の彫刻はいかにも飼い犬という人懐っこい感じのものが多かった。一方猫は目の表情がするどい作品がいっぱい。学芸員さんの説明では、瀬戸内海の猫島に出かけて取材した成果とのこと。野良猫をモデルにしているため目がキツイのだとか。カワイイ受けを狙ってない制作姿勢が好ましく思えた。

女性彫刻家のはしもとみおさんは三重県の山奥にアトリエを構えて犬猫、その他の動物の木彫作品を作っている。NHKでも取り上げられたことがある人気上昇中の売れっ子さんだ。ペットで飼っている犬猫の写真を送って木彫りにしてもらうオーダーメードの受注が多くて何年も待たされるとか。

中には亡くなってしまったペットの遺影を木彫りにしてもらう人もいる。作品は迫真のリアリズムなので、逝ってしまった子が生き返って戻ってくるような感じになるのが喜ばれるらしい。ポスターになっている作者の愛犬も昨年亡くなってしまったが、木彫に変身して生き続けているように見える。犬猫をテーマにした展覧会はどこでもヒットする傾向があるが、ヤマザキマザック美術館の関係者は予想を大幅に上回る好評ぶりに驚いていた。玄人受けする作家さんは多いが、一般にも受け、美術関係の専門家もうならせる作家となると、そうそういるものではない。はしもとさんは、そういう希少な才能の持ち主なのだろう。


http://www.mazak-art.com/cgi-bin/museum/infoeditor/info.cgi?action=data_list&mode=schedule-current



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