ヘッドホンを更新

最近、アンプをヤマハA-S3000に更新したが、続いてヘッドホンも更新した。マンション住まいゆえ、スピーカーから大きな音量は出せない。ヘッドホン主体のリスニング環境になるから、時々上位機種にステップアップする。今回購入したモデルは最新型ではない。2009年に発売されてからずっと高評価を受けているドイツのゼンハイザー HD800。メーカーのHPにはこう書いてある。

「10年以上の長い年月をかけて、満を持して登場したゼンハイザーヘッドホンの最高峰。ドイツのゼンハイザー本社で卓越した技術を持つマイスターによって作られ、組み立てられたメイド・イン・ジャーマニー。HD 800 に採用されたリング状トランスデューサーの大きさは56mmと業界最大。豊かな音場感とクリアでナチュラルなサウンドを余すところなく表現します」。

私は昔からゼンハイザーを愛用してきた。最初は1993年に登場したHD580、次に2003年のHD650、そして今回はHD800。安くはないのでどうしようか迷ったが、悩む理由が値段なら買え、買う理由が値段なら止めておけという考え方に従って思い切って買った。見た目はメタリックで仰々しいけれど、意外と軽量。耳をすっぽり覆うのでかけ心地は良好。音質はなめらかで艶やか、透明度が高くて見通しがよい。定評どおり音場が広がり、ゆったりとほぐされていく感じ。オラトリオやミサ曲のような大編成になるほど有利で、合唱団の後ろに隠れてヴィーンと鳴っていたオルガンの低音がはっきり分離して聞こえたりする。聞きなれたCDの音がグレードアップし、情報量が増えたみたいに感じる。

HD800に比べるとHD650は艶消しの音で抜けは今一つ。しかし、線の太い音はアナログ風で好感を持てる。高域の分解能が高いHD800の洗練されたパフォーマンスと比べると分が悪いが、価格差が3〜4倍ほどあるから当然だろう。低音の量感が欲しいとかマッシブな音で聞きたい時は、今後もHD650の出番となるはず。HD800の低音を増強した後継機種HD800Sも現在は市販されているけれど、HD800でも低音不足を感じるわけではない。コンサートホールで聞く生オケの低音相応のバランスは出ているので、クラシック音楽を聞くなら問題ない。

手元には高音域の解像力が売りのスタックス社のコンデンサー型ヘッドホンSR404 LIMITEDもある。コンデンサー型はスタックスだけが製造しているため、同じ方式の他社製品との比較は出来ないが、ダイナミック型のHD800と比べると透明度の高さはスタックスの圧勝。クリアな再現力は恐るべきだが、解像度の高さがあだになり、神経質に思える場合もある。最近の録音では問題ないけれど、昔の録音を聞くと音の古さや粗が目立つのだ。その点、ゼンハイザーはお化粧上手で相手を選ばず、どんな音源でもきれいに聞かせる。接続コードを交換したり、バランス接続の専用アンプを購入するとさらに音質が向上するらしいが、当分お預け(→多分やらないと思う)。私はオーディオマニアじゃないので、ケーブルに凝るとか、電源がどうとかには関心がない。重要なのは音ではなく音楽。そこそこ上質な再生が出来れば十分だと思っている。




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