弦楽四重奏#2

今日の練習会場には近隣の公民館を使った。定員30名の会議室の机を片側に寄せてスペースを作った。かなり響く部屋で、弦楽器の音がよく伸びて気持ちよく弾けたが、指導者さんは響き過ぎて内声部がよく聞けないと言っていた。確かに細部をチェックするには響かない方が、虫眼鏡でディティールを確認するみたいに調べられるから好都合だろう。 

とはいえ、私は普段の練習を楽しめばいいのではないかと思っている。本番のために修正作業を重ねるのも勉強になるが、普段の練習が音楽を楽しむ場そのものという考え方である。4月に演奏を披露する会場は響かないそうで、そういう場所に合わせて練習でも響かない部屋を使うのは損ではないかと思う。 

参加者が気持ち良く弾ければそれが一番いい。良く響く場所では軽く弾いてやるだけで音が伸びるから、脱力の練習にもなるし、粗も目立たない。もともとバイオリン族はヨーロッパの石造りの空間で使うために発達した楽器だから、日本の三味線みたいな残響ゼロのお座敷向きの楽器とは性格が違う。残響も楽器の延長、構成要素の一部だと思う。 

今日の練習は13時から15時半ぐらいまで、モーツアルト弦楽四重奏曲第4番 K.157 ハ長調」をじっくりさらった。先月に続いて2回目ということでかなり完成度が高まってきた。というか部屋が響くため、ファースト(セミプロ)もヴィオラ(プロ)もノリノリ。大ホールじゃないのに、そんな大音量で弾いてどうするのっていう感じでバンバン煽られてしまった。隣でチェロを弾きながら聞いている私にとっては、耳の御馳走の連続だった(時々、聞きほれて、チェロが落ちてしまったくらい)。 

特にファーストの指導者さんが弾くオールドヴァイオリンは、ガダニーニみたいな緻密で木目細かいクリーミーな音を出すので感銘を受けた。別団体の弦楽アンサンブルでいつもご一緒させてもらっているけれど、響かない部屋で聞いているため、あんなにすごい音を出すとはわからなかった。 

私にとってはこの曲、第二楽章でチェロが十六分音符の分散和音を繰り返す箇所が鬼門である。移弦を繰り返すために滑らかに弾けないので毎度苦戦する。今日は他の3パートが、それぞれ八分音符が一小節に一つだけしかない(他は休符)音を長く伸ばしてくれて、その上に乗る形で分散和音を弾かせてもらい音程を確かめた。そうすると和音進行が不思議な響きを作り出すので、モーツアルトの半音階の使い方は少年時代からすごかったのだと・・。 

 

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