ベートーヴェンとブラームスに特化したアマオケを聞いた

ベートーヴェンブラームス交響曲や序曲だけを演奏するアマオケがあるそうで、演奏会を聞きに行った。曲目はベートーヴェン交響曲第3番と第8番、序曲「プロメテウス」。

 

雨天ということもあり空席が目立った。座席は1割埋まっていたかどうか。演奏が始まる前に指揮者が舞台に出てマイク片手に講義をしていた。かなりの長話が終わってからは、楽団員が舞台に大勢残り、それぞれが音出しをしていた。演奏会の前に舞台で(お客さんが見ている前で)指慣らしをするのはアメリカンスタイルだそうである。いよいよ演奏が始まると、またもや講義。プロメテウス序曲の一節と、エロイカの一節が同じだという実例を聞かせるサービスだった。指揮者は出たり入ったりで忙しい。

 

ようやく序曲の演奏が始まったが、話好きな指揮者さんは身振り手振りのアクションが大きいけれど無駄な動きも多く、アンサンブルのコントロールが万全とはいかなかった。楽器間の受け渡しで穴が開きそうになる瞬間を作って、お客さんをドキッとさせてはいけません。テンポは今風に速めで、強奏部分では叩きつけるようなフォルテがさく裂。一方、弱音部では平板に流れるため、一見派手だがワンパターンになっていたかも。

 

弦楽器はヴァイオリンが12名、ヴィオラ3名い、チェロ4名、コントラバス2名、それに2管編成の管楽器(オーボエだけ3名いた)。低音楽器が少ないから軽い音になっているのはしょうがないとしても、アマオケのコンサートによくある一期一会の高揚感が希薄で、お仕事的に淡々とこなしている雰囲気を感じた。

 

プログラムを見ると、ヴァイオリンは12名中、団員は3名。残り9名はエキストラ。ヴィオラは3名中1名がトラ、チェロは4名中3名がトラ、コントラバスも2名中1名がトラ。管楽器はほぼ全員が団員。エキストラはトランペットの1名のみ、ティンパニはトラ。ということは舞台に出ているおよそ半分がエキストラだったわけである。演奏がどことなく醒めていたのはこの影響があるのかもしれない。

 

アマオケは普通は何でも演奏するので、場合によっては自分の好みじゃない音楽に半年から1年も付き合うことになる。私の場合は、チャイコフスキーとかリムスキーコルサコフなどの民族系は苦手で休団することもあった。その点、ベートーヴェンブラームスだけしかやらないなら好みに合っているからストレスなく練習に出られる。そこで演奏会を見に行ったわけだが、結果は微妙。弦楽器の団員が少ないということは普段の練習は小人数のはず。指揮者に魅力を感じられれば面白いだろうが・・・

 

 

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