平日弦楽四重奏団のお披露目演奏

某SNSのコミュニティが主催するオフ会に出た。私が去年から参加した弦楽アンサンブルで知り合ったヴァイオリンの人から声をかけられ、一緒に始めた弦楽四重奏団のお披露目演奏をした。彼はSNSのグループの管理人をやっておられる。

 

城下町にある民間ホール(サロンといった方がよさそうな小さな会場、ベーゼンドルファーのグランドピアノが置いてあった)に集まったのは21人。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、フルート、リュート、ピアノ、ギター、太鼓を弾く人たちがソロをやったり、アンサンブルを組んだりで12時半から16時半までの4時間、次々に演奏を繰り広げた(お客はいないのでこの日の出演者が聞いている)。10時からリハーサルをしたから7時間近い長丁場だった。1人(1団体)の割り当て時間は12分程度度のため一部を抜粋したヴァイオリン・ソナタ弦楽四重奏、フルートコンチェルトなど12演目が次々に披露される盛りだくさんのプログラム。

 

ヴァイオリン奏者が多かったが、リハーサルを聞いていると随分と大きな音を出す人が続出するから感心した。伴奏のベーゼンドルファーに対抗して一歩も引かない様子なのだ。会場が狭いからそんなに大きな音を出さなくても聞こえるのにと思ったけれど、皆さん気負っていたのかもしれない。

 

音の出し方、弾き方にはそれぞれ個性があって面白かった。粘っこい音を大音量でブワーっと響かせ、湿り気を帯びたリズムでこってりと歌う人が多い印象を受けた。アマチュアのヴァイオリン奏者にわりとよく見かけるタイプだと思う。チェロは私を含めて2名。もう一人の男性はフォーレのエレジーを上手に弾いておられた。

 

私が参加している平日四重奏団はモーツアルト弦楽四重奏曲第4番を演奏した。モーツアルトの初期の曲だから、リズムの切れがいい小粋なスタイルが好ましい。チェロの音量は控えめにして軽く弾いた。低音をズンズン響かせる音楽ではないのだ。われわれは1月から毎月1回3時間、合計9時間合わせてきた。合奏の場数を踏んでいるので、それなりにまとまりはよかったと思う。

 

もう一組、モーツアルト弦楽四重奏曲第14番ト長調 K.387『春』KV.387(ハイドンセットの中の1曲)の第一楽章をやったチームがあった。われわれの演奏と比較すると、そちらは後期ロマン派みたいなこってりとした厚みのある演奏をしていた。

 

オフ会では突発枠で正規のエントリー曲ではない演奏も披露する。私はヴァイオリンを借りてモーツアルト「鏡」「ミラーカノン」の2曲を弾いた。二人のヴァイオリン奏者が、同じ楽譜を上下ひっくり返して頭と尻尾から弾く曲である。お相手は平日弦楽四重奏団のセカンド女性。初めて弾く借り物の楽器を使い、リハーサルなし、ぶっつけ本番で合わせたが、弦楽四重奏の練習で顔合わせしてきた相手のせいか、呼吸を合わせやすかった。「鏡」では尻尾から弾き始める段取りの彼女が、間違えて頭から弾き始め、二人がユニゾンになるアクシデントもあり笑いを誘っていた。聴衆の話ではチャーミングな演奏になっていたそうだ。さらに本番前日にメールで頼まれたバッハの2台のヴァイオリンのためのドッペルコンチェルトのチェロパートも担当した。この日の出番は3回となった。

 

次回のオフ会は8月25(日)に都心の民間ホール(サロン)で開催するという。真夏の暑い盛りにチェロ担いで出ていくのはしんどいが、ハイドン弦楽四重奏曲「五度」を披露する予定だから休むわけにもいかない。

 

打ち上げの席でわりと近所に住んでいるピアノ弾きの男性(定年で暇になった60歳、上手な人)と知り合い、次回のオフ会でヴァイオリン曲かチェロ曲の伴奏をやってもらうことになった。しかし、ヴァイオリンで演奏する場合、電車移動で(=手持ちで)チェロとヴァイオリンの両方を持っていくのは難しい。また誰かのヴァイオリンを借りればいいか。あるいはチェロ曲を弾くか・・・。

 

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