流転するヴァイオリンケース
私が7年前にヤフオクで売却したヴァイオリンケース(イタリア・クレモナのケースメーカー、ムサフィアの「エニグマ」)が最近ヤフオクに再出品されていた。内装が絢爛豪華、成金趣味というか、すごいことになっている品である。ゴージャスな内装を見て「ケースのロールス・ロイス」と形容した知人もいた。「エニグマ」の現在の国内定価は38万とのこと。チェロケースなら珍しくない価格だが、ヴァイオリンケースにしては高額。もったいないので外出には使わず家庭内での楽器保管用にしていた。
今年の4月にヤフオクに出品された時の写真
↑ こちらは私の手元にあった時の写真
小物入れの蓋が4つあり、派手な上蓋を開けると内側に紺色の蓋が。その下に単三乾電池4本が収納されている。舞台袖などの暗い場所で使う時に、ケース内部に複数仕込んである豆電球が点灯する仕掛け。
↑ あちこちで豆電球が点灯
5年間ほど手元に置き、ケースの数が過剰になった2012年にヤフオクで放出した。当時、12万5000円で落札した人が今年の4月に同じ品をヤフオクに再出品、こんどは11万9000円で落札されていた。私から買った人も家庭内での保管に使っていたそうだ。皆さん、考えることは同じである。
ヤフーに払う手数料8%余りを計算すると15500円ぐらいの赤字だろうか。7年間使ったコストと考えれば高くはない。かなり古くなっても値落ち幅が少なく、買い手がつくとは、さすがに写真映りがいいだけのことはある。最近の「エニグマ」はもっと控えめな内装に変わり、豆電球もLEDになった。初期版のド派手さは今となっては希少価値があるかもしれない。
↑ 外側は無表情な普通の布製カバーで覆われている
↑ 私の楽器が居心地よさそうに見えた
↑ マイナーチェンジ後の現行版。模様の部分が減少し大人しいデザインに変更された