「ベートーヴェンは凄い 2019」のチケット

東京文化会館で毎年大晦日の午後1時開演、元日の午前0時直前に終演する長丁場な演奏会「ベートーヴェンは凄い」のチケットが7月13日に発売された。 ベートーヴェンの全交響曲9曲を一挙に演奏するオケは、NHK交響楽団有志にフリーの演奏家を加えた団体。指揮は炎のコバケンさん。かつては岩城さん、あのロリン・マゼールが振った年もあった。

 

午前10時発売開始だったがネットが混みあってしばらくは接続できず。もたもたしているうちに安い席から完売に。PC画面で音がよい5階席(C席8000円)を探していたら、みるみるうちに席が売れて行くので焦った。ラッキーなことに5階最前列の席が取れた(座席のすぐ横が通路の席。出入りを考えると列の端がベスト)。9曲をこの値段で聴けるのは、トヨタをはじめとする大手企業のサポートのおかげである。音楽のお年玉だろう。

 

チケットの値段が高くなるほど1階平土間の中央や2階といった低フロアになる。しかしあのホールはドライな音響のため、その辺よりも5階の方が残響がいくらか乗って音に潤いが加わってよいのだ。1階のチケットを買っていても5階が空いていれば、そちらに移動する人もいるくらい。私は昨年まではネットオークションで、12月に出品されるチケットを購入していたが(定価の2.5倍で毎年同じ人から購入)、今年は好みの席を選べてよかった。

 

夜になって再度チケット売り場をのぞいて見たら、すべての席がほとんど完売に近かった。一度行くと毎年行きたくなるから固定ファンが多いのだろう。毎年来ているというお客さんの話を去年も聞いた。長めの休憩時間に廊下でワイン片手に軽食をつまむご夫婦とか、割と多く見かける。普通のお堅い演奏会とは雰囲気がちと違うのも、あの演奏会ならではの面白さである。

 

私は3年前に初めてこの演奏会に行ってから、ベートーヴェンを聞きながら年越しするのが恒例化した。演奏者は気力と体力の勝負になる。N響コンマス・マロさんをはじめ弦楽器奏者は出ずっぱり。チェロのトップは藤森俊介さんだ(毎年、ありがとうございます)。コバケンさんも気合い十分。合唱団の皆さんも深夜0時近くまで歌う。

 

13時から24時までの出番なんて、お仕事と割り切って出来る演奏会じゃないだろう。意気に感じるというか、舞台も客席もベートーヴェンに鼓舞され、新年に向けて元気をもらって帰るイベントなのだ。一期一会の高揚感に包まれる演奏会は、そうそうあるものではない。大晦日の夜は電車が終夜運転するから足の便も何とかなる。今年も元気に12月31日を迎えられますように(もう年越しの話題になるとは、時が経つのは早い)。

  

 

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