ヴァイオリン教室#5

グループレッスンの5回目。「新しいヴァイオリン教本」第1巻の練習曲22番まで進んだ。練習時間の大半は復習に費やされ、開放弦を四分音符で弾く(弓は半分を使う)。2分音符で弾く(弓は全弓を使う)。これをミックスして弾くといった基本動作の確認に時間がさかれた。

休符が混ざっていると、ちゃんと休まないで音を伸ばし続ける人が若干いる。先生は拍子を数えることの重要性をさらりと仰るのだが、もっと強く(あるいは具体的に)言わないと真意が伝わらないと思った。楽譜の読み方を理解出来てない高齢の生徒さんに、歌うように弾きましょう♪と指導されておられるから、演歌調のテヌート弾きというのか、中膨らみの尻すぼみという良くない弾き方によって休符が曖昧化してくる。音の立ち上がりから弾き収めまで一定の幅を維持する帯状発音の必要性が伝わっていないのだ。ヴァイオリンを弾く以前に、リズムを数えて(歌わせて)、休符の意味も確認させないと、だんだん混迷が深まってゆきそうな予感がした。そういう生徒さんは弾き方も崩れ気味。苦しそうな姿勢を見れば、どこで問題が発生しているのかは一目瞭然。

・・・とか何とか、みなさんの様子を観察している私にも先生のチェックが入った。弓先の角度の修正や、駒寄りを弾きたがる傾向にダメ出しを受けた。駒に並行する位置で弓を動かすのが、とりあえずはボーイングの基本。だが、自分では真っ直ぐに弾いているように見えていても、目の錯覚でそうでない場合がある。弓が正しく動いているかどうかは、他人かミラー先生に観察してもらわないと自分ではわかりにくい(特にG線を弾く場合)。

また、私は弓を駒に接近させて弾くのが好きなのだが、先生からは、駒と指板の中間を弾きなさいとの注意を受けた。ごもっともなご指摘ながら、弓が指板の方に移動すると音が寝ぼけてくる。明瞭性やパワーを考えたら、雑音が出る寸前まで弓を駒に接近させたくなる。私はチェロを始めてからは、ヴァイオリンでもガッツリ発音させる弾き方を志向するようになっているかもしれない(トルトゥリエは、毎日1ミリでも駒寄りを弾けるようになるようにとお弟子さんに指導したと聞く)。

レイトスターターから始めた人は、経験数十年のベテランであっても駒寄りを弾くのを敬遠する傾向がある。自信なさげな心細い音を奏でている人は割と多い。雑音成分のズィー音はホールの客席までは届かないから、耳元でバリバリと聞こえても大丈夫だが、上澄みの綺麗な音が欲しいのだろうか。それと、小柄な女性で手が短い方から、G線を弾く時に、弓先まで使い切れない。手が届かないので、どうしましょうという質問が出ていた。体を曲げるとか、楽器を傾けるとか、ちょっと姿勢を加減すれば対応可能だろうが、直立不動のロボットが弾くみたいに考えているらしい。誰かが、慣れてくれば自然に分かるようになるでしょうとアドバイスしていたけど、右腕の肘の上げ方とか弓の持ち方とかは(チェロでもそうだが)指導者によって考え方が違うので、いろんな見解がありそうだ。I先生は割と肘を高めにキープする流儀のようで、●十肩で腕が上がりにくい私には、I先生のチェックが結構しんどい時もある。まだ20代前半、体が柔らかい若手の先生には●十肩は無縁の話である。

左手の音程はまだ序の口で、今日は1の指、2の指に続いて3の指を押さるところまで行った。1の指で取るEとかBの音程は結構デリケートな要素があるが、皆さんの音程は最初にしては揃っていた。指板の1の指、2の指の位置に白いテープが貼り付けてある効果が出ているのだろう。4の指も使ってオクターブの音階練習をするのは、あのテキストでは、もうちょっと先になる。それまで遊ばせている小指が丸まらないよう、ちゃんと弦の上で待機させるようにとの注意があった。



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