弦楽アンサンブル #5

エルガーの「弦楽セレナーデ」の2回め。第2楽章の初回合わせをやった。この曲は私はファースト・ヴァイオリンで参加している。

第2楽章の冒頭、ヴァイオリンはG線の開放弦で弾き始める。開放弦は鳴りすぎる傾向がある。楽譜はピアノ指定。ちょっと怖いところ。弓毛を弦の上に置いてから弾き出すと、スパッと始まる音に若干のアタックが付きがち。指揮者のリクエストは、そうではなく、ふわっと漂うようなスタート。ためらいがちな表情を付けて音楽が始まる効果が欲しいらしい。ということで、冒頭は弓を弦の上で滑らせるような感じで弾き始めるよう指示があった。弓を静止した状態から弾くのではない。飛行機が着陸する時みたいに、滑空しながらすっと接地するイメージである。

その後、PPの指定が何度か出てくる箇所ではトランクイッロ(穏やかに、落ち着いて)で弾くように注意された。ピアニッシモの箇所ではヴィブラートは使わないようにとのこと。アンサンブルの解説書で読んだことがあるが、アメリカのオケはいつでもヴィブラートをかけたがるが、ヨーロッパのオケはそうでもないとか(藤原義章「新しいアンサンブル入門」春秋社 P.110に「私の印象では、大まかにいってアメリカの演奏では常にヴィブラートをかけ、ヨーロッパではノン・ヴィブラートを多用しているように思われます」とある)。
指揮者の先生のお話では、強音の時はヴィブラートをかけて濃厚な表情を付ける方法が妥当だが、弱音の場合はヴィブラートはまったく使わないか、かなり抑制した方が綺麗な弱音になるのだという。

エルガーの第2楽章を通した後、残りの時間でバッハの「ブランデンブルク協奏曲第3番」をやった。こちらでは私はチェロを弾く。1人だけいそいそと席替えをした。



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