チェロのレッスン 29  スズキ教本 第4巻 その2

まずはいつもの音階練習から。C線の4ポジションから始めるト長調とA線の8ポジまでを使うニ長調をざっと通す。A線の上の方を上げ弓で弾く際、時々弓のヘッドがあさっての方角に行っちゃう傾向があるのを(今回も)注意された。A線を上げ弓で弾くと弓の頭が体の左後方に出て行ってしまうからよく見えない。意識はしているつもりだが、ハイポジションになると左手のポジション移動で頭はいっぱい。弓のヘッドのことは、どこかに忘れている。われながらイマイチだと思う。

次に、前回から始まったブレバールの「ソナタハ長調」第1楽章。今回は、より細かいチェックと指導が入り、前半までで1時間のレッスンが終わってしまった。

1)最初の3重音・4重音は二つずつの音を一組にして弾くが、後から弾く高音側の重音の弾き始めの頭は、はっきり出さなければならない。ズッ・チャーと弾く「チャー」の頭が明確に聞こえるように弾く。前回も習ったが、この種の重音は後半の二つを弾くタイミングが一拍目の冒頭に来るので、弓の切り替えしの節目を明確にしないと拍節感があいまいになってしまう。

2)3個連続の重音の最後(4重音)は付点2分音符なので、十分に音を伸ばして3小節の冒頭のGにつなぐ。弓を返すので紙一重の音の切れ目は入ってしまうが、フレーズがとぎれたように聞こえてはダメ。

3)8小節からPになるので緊張感を保った弱音で弾く。ボケーっとした弱音では音楽が腰砕けになってしまうから注意する。

4)11小節からの2分音符にはアクセント記号があるが、mpの指定があるので気張り過ぎてはイケナイ。コテコテではなく、折り目正しくシラーっと。

5)18小節4拍目のAからfになるから、ここはモタモタぜずに決然と決める。それまではmpのままなので、じっと我慢。

6)19小節4拍目にp指定があるから、ガクッと一気に音量をダウンさせるのだが、緊張感をキープしたまま弱音で弾かねばならない。

7)20〜21小節のA〜B〜Cの3音はスラーがついているから、なめらかに繋いでゆく。BとCの間でポジション移動があるので、なめらかに弾けと言われても、そう簡単にはいかない。しかもCにはテヌートの指定も付いている。つづくD〜Eの音は2の指と4の指の間隔を広げて取るので、親指も移動させる。さらにクレシェンドの指定もあるため、弓の分量も計算しておく。これらの動作を同時にやりながら、なめらかに弾く必要がある。

8)22小節の重音はデクレシェンド指定なので柔らかく弾きながら音量を下げる。このあたりは、ずっとp指定だから弱音の世界の出来事のまま推移する。

9)23小節冒頭のCにアクセント記号があるが、まだpなので音量は弱く、しかし弾き方はしっかり。

10)24小節からクレシェンドとなるが、まだpの指定のままなので、そのつもりで我慢。

11)26小節の最初のGは4分音符の長さを正確に出す。つづく3連符に気を取られて、はしょってはイケナイ。

12)27小節の後半から3連符の下にクレシェンドの指定があるので、なだらかに音量を大きくしてゆく。28小節は下降音型なので、この辺は崩れ落ちるように音量が増加してゆく感じ。ただし3連符特有のリズムを崩してはイケナイ。

13)29小節でやっとfの指定となり跳躍音型を弾くが、ここは元弓のスナップを効かせて小気味よく。弾いている姿勢も元気よく見せるようにとのこと。佛頂面(ブッチョウズラ)で弾いていてはダメ。

14)30小節はpなのでスビットピアノで(突然、ガクッと音量を下げる)。

15)31小節の3連符はベタ弾きでクレシェンド。30小節までの跳躍音型の元気のいい弾き方を、そのまま引きずってはダメ。

16)34小節の最初の3連符の1音目まではmf。2音目からスビットピアノになる。以下、ピアノのまま36小節までじっと我慢。

17)39小節の最後でリピートになるので、紙一重の隙間のまま3小節につなぐ。

18)44小節の4拍目からpになる。そこからお気軽なメロディが出てくるので、調子にのって余計なこぶし風のアクセントを4分音符に付けないこと。簡単に弾けるところこそ要注意。まったく気が抜けない。

19)47小節4拍目のCにf指定。上げ弓で大きく弾いて、つづく48小節のC~Bの8分音符を弾く際に一気に弓先まで戻す。その次のBの2分音符は弓を節約しながら弾かないとスラーでつながるC(テヌートの指定がある)の弓が足りなくなるので注意。このCもスビットピアノで弾く。一見、簡単そうに見える箇所だが、弓の配分に気を配らないとfからpへの切り替えがうまく出来ない。

20)50〜51小節にかけてクレシェンド指定。51小節でポジション移動がある。上のポジションに移動した後は、いくらか駒寄りに弓を近づけて弾く。ポジションが上がるほど弓も駒寄りを弾く傾向があることは覚えておく。

21)56小節の2拍目のAは開放弦で弾くが、この時に親指をすばやく移動させ、次の3拍目のGisの拡張形に備える。3拍目からは1の指と4の指が目いっぱい広がる。4の指で取るGisが上がりきらないので音程に注意。

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