ピアノ合わせ

2月10日の発表会のためのピアノ合わせに行ってきた。午後3時に会場に着いたら、子供がスズキメソードの曲をやっていた。小学校低学年の男の子で、分数楽器の音色はとやかく言えないが、インテンポで淡々と弾いてゆく様子は、その後に演奏したレイトスターターの中高年たちよりも安定感があった。子供は素直に弾いているので癖がなく、聞いていて嫌らしさを感じない。

子供が終わって大人の番になり、「タイスの瞑想曲」とか「ボケリーニのメヌエット」などをおじさん・おばさんが弾き出した。か細い音量、ずれる音程、無意味なテンポの揺れ、強弱のないのっぺりした弾き方・・・と、身に覚えのある頼りなげな演奏が続く。もちろん、そうじゃない演奏もあった。子供の時からこの教室の発表会に出ている20歳の男子は、ポッパーの「ハンガリー狂詩曲」をきれいに弾いていた。レイトじゃない子は、上達のレベルが違う。

私は人前でピアノ伴奏付でチェロを弾くのは初体験だったが、バイオリンではこの手の経験を重ねているから新味は感じない。事前にスズキのテキスト付属の伴奏CD(ピアノ伴奏だけのカラオケ)を使って練習しておいたので、生のピアノ伴奏でも同じような感じ。通して弾いて、曲の出の部分を2〜3回、ピアノの先生と呼吸を合わせる練習をしておしまい。ブレヴァールは5ヶ月間のレッスンで教わったとおりに、しらっと弾いた。

その後、延々と大人たちの練習が続くのを見ていた(最後に合奏の練習があるので帰れないのだ)。独奏曲のはずだが、先生とデュエット(同じメロディを弾く)する人も結構いた。本番はどうするのだろう?

合奏が始まったのは7時だったから、4時間近く待っていたことになる。合奏の部で演奏する曲はスズキ教本の第1巻〜3巻の中から選んだもの。それぞれの生徒さんの進捗レベルに合わせて参加が決まるから、1巻をやっている人はそこまで。2巻の人、3巻の人と合奏に参加する人が途中で入れ替わった。私は最後のサンサーンス「白鳥」(スズキ教本6巻)の合奏の時に降り番となったが、それ以外は全部参加。上級の人たちが教師用の伴奏パートを弾くので、2部(曲によっては3部)にパートが別れる中、ずっと1部(メロディを弾くパート)を弾かせてもらった。

どの曲もこの1年間にさらったのでそこそこ弾けたものの、メロディを弾く人たちが走る(テンポがどんどん速くなる現象)ので、あまり楽しい合奏ではなかった。 指揮者がいればインテンポをキープせよと言うところだが、いないので成り行き任せでどんどん走るから、しょうがない。お教室の先生も、大人のフォローは面倒くさいのか放置のまま。後で聞いたら、ここの教室の中高年たちは、本番ではもっと走るらしい。皆さん、緊張して心拍数が上がり、テンポがよりいっそう速まるのだそうだ。自爆するつもりなんだか・・・ そんな感じで合奏練習が終わったのは夜の8時半ころ。

先生から打ち上げに誘われたので、近所の居酒屋でビールを飲んで皆さんのお話を聞いて帰ってきた。発表会の主催者の先生は有楽町や横浜、厚木など各地で教えていらしゃるので、都内、千葉、神奈川とあちこちから生徒が参集してくる。発表会は子供が主役で、大人組は余白のおまけみたいな扱いらしい(子供の親たちが記念撮影とかビデオ撮りとかで、たいそう張り切るとか)。



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