チェロのレッスン 44

ブレヴァールのソナタハ長調のロンドをやる。

今日の注意事項

①前打音が頻繁に出てくる曲だが、リズムを崩さないこと。前打音なしで正しい3拍子のリズムで弾いてテンポ感を覚えてから、前打音を加えてみると 考えている以上に前打音は短めに切る必要があることが分かる。前打音に引きずられてしまうと、3拍子が崩れてくるので要注意。

②13小節のようにド・ソ・ミ・ド・ソ・ミ・ドと下降してくる音形が出てくる箇所はクレシェンドの指定になっているから、下に行くほど図太い音を出すよう意識する。気が張ってないと腰砕けになる。

③27〜28小節、33〜34小節の十六分音符は転ばないようしっかり弾く。 最後のCの音は若干、気持ちをこめる感じでタメ気味に弾き、続くD音はテヌート気味に音の量感をたっぷりとつけて晴れやかに弾く。この音に続く下降音形はクレシェンドなので急激に音量を増やして、最後のCまで息切れさせない。その直後、音楽の気分が転換。一呼吸の間を取ってから、pで弾き始めるが、音の粒立ちは明瞭にして弾く(スタッカート気味にするといいようだ)。

総じて、この曲はfの直後にpが来るパターンが多い。音量の切り替えは思い切りよく、デジタル的にスパッと変える。

④39小節の2拍目で楽想が変わる。ここは意識的に音を揺らしてスイングさせる。

⑤48小節は元弓でがっしり弾く。続く49小説の2拍目と3拍目の間でフレーズが切り換る。曲想が変わったことを表情に出す必要があるが、音量はfのままをキープ。2拍目のGをテヌート気味に弾いてやると雰囲気が出てくるようだ。

⑥50小節のディミヌエンドリタルダンドもある)は、半音階進行とセットで弾きにくいから要練習。

⑦66小節からのpは間延びしないようにテンションを上げて、弱音に細心の注意をこめる。

⑧68〜69小節では拡張があるので親指の位置に注意する。

⑨79小節のD、81小節のDにはアクセントの指定がある。ここはちょっとだけ重々しく弾いてやる。

⑩80小節から101小節までB♭が何度も出てくる。この音を弾く際には、親指は1ポジの2の指の裏側の場所をキープ。1の指だけ上ナット側に伸ばす拡張形をとる。 中途半端に親指の位置がぶれてくると1の指の音程が怪しくなるから要注意。親指が音程を決める重要なアンカーになっている箇所である。 1の指がやや長い人は、すっと伸ばすと音程が低めになる。手のサイズは個人差があるので、自分の指の長さと相談しながら、構えを決めてゆくしかない(手が小さい先生の真似をしたらピッチが低めになってしまった)。

⑪88小節の十六分音符は弓先で弾き、2度目は弓中、3度目は元弓で弾く。90小節の冒頭から元弓でがっしり音量を維持して弾く。下降音形ながら音量は下げないこと。91〜95小節まで元弓を使って大きな音を出し続ける。

⑫103〜104小節は拡張。親指の位置に注意して1の指を伸ばす。

レッスンが終わってから先生にお聞きした。日曜の発表会では音量を稼ぐため駒寄りを弾いた。4本ともスピロコアだったこともあり、耳元ではガリガリ・バリバリ音がかなり聞こえていた。このぐらいまでは大丈夫じゃないかと思いながら弾いていたのだが、雑音は聞こえていましたかと?

舞台の袖におられた先生にはバリバリ音は届いていなかったそうだ。たぶん、客席にもそういう音は届かないはずだともおっしゃっていた。

ホールで弾く場合は、弾いている本人に、なめらかな音として聞こえているようだと、音が遠くに届く前に沈没してしまう。バリバリ・ガリガリ・ズィーズィーいう音が混ざっているくらいが丁度いいらしい(もちろん添加物程度の混ざり具合の意味だが)。

アイザック・スターンのバイオリン演奏を間近で聞いたらガサガサ・ジャリジャリでとんでもなかったが、ホールの客席にはその種の雑音は届かず芯の強い美音だけが聞こえていたと、誰かが書いているのを読んだことがある。弦楽器にはそういうところがあるから面白い。









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