ロングトーンでのヴィヴラート

グループレッスンの発表会で弾くアンサンブル曲「風の名前をおしえて」には、どのパートにも白玉(全音符・二分音符)がたくさん出てくる。この曲、某大学オケのチェロパートに代々伝わった練習曲だそうだ。初級者は、かなり遅めのテンポで演奏することになる。となると、白玉の連続箇所ではロングトーンの弾き方が課題になる。ボーイングも重要だが、もっと問題になるのが「ヴィヴラート」。ロングトーンで息切れせずに、抑揚幅が均一で粒のそろったヴィヴラートをかけるのは難しいものだ。

アンサンブルで弾くバイオリンの譜面には、全音符が長く続くシチュエーションは、ほとんど出てこない。メロディを弾くのがバイオリンの役目なので、同じ音をスローに弾いてヴィヴラートを延々とかけ続けるなんていう経験は、してこなかった。しかし、チェロは伴奏的な声部を担当することが多いから、この手の全音符とか二分音符はしょっちゅう遭遇する。しかも、楽器の図体が大きくて弦も太いので、ヴィヴラートをかけるために必要な労力はバイオリンの比ではない。

前々回のグループレッスンでは、「ヴィヴラートのかけ方」が話題になったものの、結局、各自が研究して身に付けてゆくという話で終わった。教えにくいというのがその理由。

全音符が3つ続き、最後の全音符はタイで二分音符につながり、その後も再び全音符が続く・・・のような部分でのヴィヴラートは、無用な音揺れが発生してしまう。全音符の弾き始めはノンヴィヴラートでさらっと音を立ち上げて、序盤の終わりぐらいからヴィヴラートをかける。その際、音を揺らす振幅の幅は、きっちりコントロールして、音の襞に均一性を持たせないと演歌調になってしまって嫌らしい。

どういう揺らし方がいいのかは、頭では分かっているのだが、手指がそのようには動いてくれずムラが出る。縮緬ヴィヴラートだけは避けたいので、急ぎ過ぎないよう注意しているものの、なかなかに難しくて苦戦中である。

この問題に関して、知人からのアドヴァイス・・・「ヴィブラートを揃えるよりも、まずは音程を合わせないと、音のうねりがゴウゴウいってすごいことになるので、ノンヴィブラートで音程合わせをするのが大切かとも思います」。

な〜るほど。次回の練習では、メンバーの皆さんと「ノンヴィブラートでの音程合わせ」をやってみましょう。音程がバッチリ合えば、ヴィブラートはなし。あっても仄かにかける疑似バロック風なんていうのもいいかも。





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