チェロのレッスン 110

S先生のスケジュールの都合で延期となっていた今年最初の個人レッスンに行ってきた。ハ長調ト長調ニ長調の4オクターブの音階練習からスタート。ハイポジションでの左手の移動が「サッ・・ピタ!/ サッ・・ピタ!」となっている点を注意された。手の移動スピードが早すぎるため、当たりのポイントを自分で狭めているのは損とのこと。見た目もカクカクしてくるし。尺取り虫のようにユルユルと余裕を持って滑らかにポジションを切り替えるのが望ましいとのご指導。意識して左手を動かせば出来るのだが、他に気を取られると尺取り虫を忘れてしまう。頭が二つないと出来ないとは、毎度、困ったもの。

(付記:尺取り虫の動きは私が勝手にイメージしたものだが、もたもたと動く虫なので、よろしくない比喩のようだ。翌日、このブログを見られたS先生から「尺取り虫のように」とは教えていません!!とのご意見をいただいた。蝶とかミツバチとかが花から花へと軽快にスイスイと飛び移るイメージの方が近いみたいである。特に虫にこだわる必要はないのだが)

曲の方はバッハの無伴奏組曲第1番のプレリュードを見てもらった。バッハは今日が最初の一回目。指摘された問題点は・・・

① 指板上で指がパタつくのを止める。D線とA線の間で移弦を繰り返す時、A線側(開放弦)を弾いている最中にD線を押さえている1の指や2の指が弦から浮き上がってしまう場合があるとのこと。弓がD線に戻ってくるのと同時にD線を押さえ直すから、指板上で左手の指がパタパタと無駄な上下運動をしていることになる。この無駄な動きが出る理由は、開放弦を弾く際に、D線上にある指がA線に接触しそうな気がするためである。実際は触れてなくても、片側の弦を押さえた指先が隣にはみ出て接触しそうになる予感がするのだ。それを嫌って指を一瞬だけ浮かして雑音の発生を回避→指がパタパタ動く。対策としては、弦を押さえる指の角度を調製したらいいだろうか。現状は指を寝かし気味にして、指先の腹で弦を押さえている(猫で言えば肉球の部分)。もっと立て気味に変更すれば、隣の弦との接触は防げるかも。爪が当たってカチャカチャいいそうな気もするが。

② 私の左手は、指板に対する手の向きがほぼ水平か、若干上から下降する形になり、左肘の位置もわりと高めをキープしている。それを下から(駒側から)スクロール側の上方向に指先が向く構えに変え、肘も落とした方が楽に弾けるとのこと。その場合、左親指がネック下から離れて空中でぶらぶらするケースが出てくるが、気にしなくて良いとも。親指命みたいなところがあったスズキメソードとは真逆の発想である(前の教室では親指をネック裏から離さないように、さらに左肘も落とさないよう厳命されていた)。この辺の話はS先生の教室に移籍したばかりの頃にも指摘された問題点なのだが、しばらく言われないと忘れて、前の教室で刷り込まれた奏法の癖が復活してくる。

③ 第33小節の3拍目にある3つ続きの16分音符の重弦から始まる重音の弾き方は、重音でもいいし、慣用的に行われているA線の開放弦とD線のA音を交互に移弦しながら弾くやり方でも、どちらでも好きなようにとのこと。ただし重音で弾く場合は、しっかりと弾いて重音らしさを出さないと意味が無いとも。この部分をS先生が演奏してくださったのだが、速いテンポで弾くと開放弦がチカチカと点滅するランプような感じになり、重音か単音かの区別はたいして意味ないと思えた。私としては、このあたりは速めのテンポで漂うように軽妙に響かせたい。そうしないと開放弦の音がキツく聞こえてしまうからだ。重音奏法でも軽く弾けなくはないだろうが難しくなる。ということで楽譜の指定とは異なるが移弦奏法でいくことにした。




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