ゴールウェイ/コンプリート・RCAアルバム・コレクション(71CD+2DVD)

HMVでつい買ってしまったゴールウェイ/コンプリート・RCAアルバム・コレクション(71CD+2DVD)。

フルートという楽器は白痴美的な音を出すので好きではないのだが、ジェームズ・ゴールウェイは別格。この人が1970年代前半、ベルリン・フィルに入団していた当時のあのオケの音といったら・・・。アバド指揮のブラームス交響曲第2番(旧録音:1970年11月)のCDを聞くと、フルートが鳴り出した途端に耳がダンボ状態。ゴールウェイの演奏に聞き入ってしまう。フルート1本でオケ全体の音色のイメージを変えてしまう畏れ入る実力。

ゴルーウェイがベルリン・フィルで吹いていた期間は短く(1969年から1975年まで首席フルート奏者を勤めた)、カラヤンの慰留を振り切ってフリー奏者になってしまう。その後のベルリン・フィルはゴールウェイ在籍時代の輝きを取り戻せずに現在に至っている。つまりベルリン・フィル史上、空前絶後のフルーティストだったわけだ。

そういう人の録音が纏まって(しかもお安く)発売されいたので(くどいようだが、フルートという楽器にはほとんど興味ない)この際だから買ってしまった。70枚以上のCDを全部聞くのは何時になることやら。適当に何枚か選んで聞いてみたが、当代最高の笛吹きの妙技がこれでもかという具合に詰まっている。

この人がオーケストラに所属していた時代の録音を調査してくれたHPがある。
http://www.ne.jp/asahi/jurassic/page/mate/galway_orch/top.htm

ブラームス交響曲第2番はベームベルリン・フィルザルツブルク音楽祭で共演したライブ録音(1970.08.15 ) がテスタメントから出ている。それも購入したが、デッドな音響で、アバド旧録音盤(ベルリンのイエス・キリスト教会でのセッション)ほど冴えたフルートの音色が聞けるわけでない。カール・ベームの指揮はライブの人らしく非常に盛り上がっているものの、LSOとのライブ録音の方が上出来かもしれない(1973年8月のザルツブルク・ライブ。 Andanteから出たCD)。当時、ベームが指揮をするとロンドン交響楽団ベルリン・フィルみたいな音を出すと言われていた。そういう評判を裏付ける内容がある。ちなみにカラヤンベルリン・フィルブラームス・セッション録音は時期がずれたため、ゴールウェイの妙技はお預け。





にほんブログ村 クラシックブログ チェロへ
にほんブログ村

にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ
にほんブログ村