ソメイヨシノは苦手

人と会う用事があって大阪まで日帰りで往復。今日は天気もよく、新幹線の車窓から桜をたくさん見た。関ヶ原のあたりが五分咲きだった以外は、どこも満開。大阪環状線の「桜ノ宮」駅あたりはとくに凄かった。大川の岸辺、駅そばの公園、いたるところ桜ばかり。雅な駅名の由来は知らないが、この時期はなるほどと思えた。

そこらじゅうで咲いていたソメイヨシノは、種では増えないのでクローンばかりだとか。品種改良で生まれた園芸種らしい。なるほど美容整形した美人みたい。出来過ぎた感じというか、饒舌で白痴的な咲き方をする。古来の山桜の清楚な趣や慎み深さは、まるでない。現代の都市で見かける桜の花でうめつくされた景観は、ソメイヨシノが誕生し普及した江戸末期〜明治以降に形成されたそうだ。あの艶やかさを見ると、近代化による物的豊かさと引き換えに変わっていった日本人の気質を考えてしまう。清少納言が愛でた桜は、ソメイヨシノじゃない。



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