チェロのレッスン 83

あいかわらずヴィヴァルディのソナタの後半をやった。あいかわらず左手親指の付け根が痛むため、チェロを弾くのが億劫な状態が続いている。去年8月から始めたヴィヴァルディを弾くと痛くなる・・・何故?

わたしとしては、この曲に出てくる拡張の多さやスローテンポでの濃厚な表情付けの要求が、指痛の原因と判断した。 本来は軽やかなバロック音楽を、重厚長大型で弾かせるため、指に負担が掛かり過ぎるのだと思う。

今日のレッスン中にA先生が指摘したポイントは、これまでと同じ。親指命の指導を繰り返している。左肩も上げて、左肘を高いポジションに保つようにいう。その姿勢で左手を丸めて指関節も丸めた状態で弦を押さえる奏法は、●十肩の後遺症があるわたしには、さらに肩の負担も増えて疲れやすくなる。

グループレッスでお世話になっているS先生の指導では、親指に関してはうるさくいわないし、肩は脱力、肘も低い位置でOKだから、正反対の楽な弾き方になる。

こちらのA先生推奨の弾き方(つまり指が痛くなる弾き方)を守ってヴィヴァルディを弾くと、その都度、指関節に不具合が発生するから、細かい要求は守れない。結果、同じ箇所の修正を繰り返すレッスンが延々と続く悪循環。

これまでに随時、親指の付け根が腫れていて痛むので満足に弾けないと伝えてきたのだが、その意味をA先生は理解されていない様子である。仕方ないので、本日、わたしから強制終了を宣言した。「ヴィヴァルディを練習すると左手の指関節が痛むので、家ではこの曲を弾かないことにしています!」

それを聞いたA先生は(慌てて)、では次回から次の曲に進みましょうと仰せ。次の曲はスクワイアの「ダンス・ラスティック」。田舎風の踊りの音楽のようだ。

A先生の指導は懇切丁寧でありがたい。基本は大きな音量で朗々とチェロを鳴らす奏法を教えている。身体が柔軟で育ち盛りの若者なら、ああいう筋トレ奏法でいいのだろう。しかし、年寄りの域に差し掛かっているわたしは、このままの状態で改善が進まないと指を痛めるばかり。根本的な部分で異なる考え方を持っておられるS先生のメソード(チェロを長く続けるための体への負担を減らす安楽奏法)に乗り換える必要も検討している。どちらがいいか悪いかではなく、相性の問題といえる。



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