チェロのレッスン 89

個人レッスンでは前回までやっていたウェルナーは中止となり、再びスズキ教本第5巻に戻った。 ということで5巻の2曲目、スクワイア「ダンス・ラスティック」(田舎風の踊り)をやった。この巻の最初に出てくるヴィヴァルディ「ソナタホ短調」は、9ヶ月かかっても結局終わらなかった(わたしからヴィヴァルディの中止をお願いした)。

教師と同じように弾けるまで先に進めないA先生の教え方は初級段階ではいいだろう。しかし中級になってくると曲自体が難しくなり、そうそうプロのように弾けるものではない。なので、いつまでも同じ所を繰り返すことになる。丁寧に教えていただくのはありがたいが、進捗が非効率なのは嬉しくない。

ヴィヴァルディをキャンセルしたら、先生はテキストをウェルナーに変更して一からやり直し始めた。ウェルナーは、すでに別教室のグループレッスンでやっているとお話したが路線変更なさらない。ウェルナーを最初からやっても今更の感があるし、奏法に対する考え方の相違も気になりだしたので、個人レッスンの受講は5月末で打ち切ることにした。教室を主宰するY楽器店側に退会の手続きをとったところ、急遽、A先生からの申し出があり、最後の2回のレッスンはスズキ教本の曲をやることになった。

今回のレッスンでは、メリハリの付け方や音程のチェックを教わった。「ダンス・ラスティック」は同じパターンのくり返しが多く、ヴィヴァルディのソナタに比べると拍子抜けするほど簡単である。何度か出てくる前打音をキリッと引き締めて弾くとスタイリッシュになるとか、いくつかのポイントを伺った。

次回でA先生のレッスンは終了となる。ちょうど30ヶ月、90回での区切り。A先生が教授されている奏法は日本の保守本流という感じの伝統的なもので、グループレッスンでお世話になっているS先生が推奨なさっているメソード(金沢のルドヴィート・カンタ先生からの直伝)とは、なにかにつけて正反対なことが多い。弓の持ち方や左手の構え方、肘の高さなどに関する考え方が真逆なので面食らうことがしばしば。左手親指の腱鞘炎が治らない今のわたしにとって、合理的な奏法(つまり体への負担が少ない奏法)はS先生の流儀と思うようになった。6月からはS先生の教室に通って個人レッスンを受け、これまでに習得した奏法を根本的に見直すことにした。

チェロ奏法については、いろいろな意見がある。わたしのように習い始めから2つの教室に通って異なるメソードを並行して学ぶ人は多くないだろうが、セカンドオピニオンを知ることは無駄ではなかったと思っている。




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