ヴァイオリン教室 #1

地元アマオケ主催の「ヴァイオリン教室(グループレッスン)」の1回目に出た。先月まで開催されていた「チェロ教室」の後継プログラムである。指導を担当する先生は若手の女性2名。交替で見てくださる由。メインのI先生は桐朋音大を出てまもない感じ。20代前半か。サブのO先生も同じ桐朋出身でロシア留学経験がおありの方。26歳とか、そのくらい。

金曜日の午後2時から4時までの2時間枠が毎月3回ある。土曜日の午前中に開催したチェロ教室は現役サラリーマンが参加していたが、こちらはウィークディなので無理。ということで平均年齢は大幅にアップした。13名の生徒の中に60代、70代がぞろぞろいる感じ。先生方にとっても世代のギャップが凄そう。

私は2011年に五十肩にかかって腕が上がらなくなり、ヴァイオリンからチェロに転向した。それから4年。現在では肩に違和感が残るものの、ある程度はヴァイオリンに触れるようになった。調度良い機会なので肩のリハビリを兼ねて、もう一度最初から自分の弾き方を見直してみることにした。1970年代半ばに個人レッスンを受けて以来のレッスン再開である。

テキストは音楽之友社発行「新しいバイオリン教本」(いわゆる白本)が指定された。40年前に私が学んだテキストである。表紙も中身も変わってないので新たに買う必要はない。初版発行が1964年だから半世紀も前に出た教本が、今でも「新しい・・・」のタイトル、同じ内容で売られている。当時の大御所3先生が協議して作った古典的教本である。第1巻の冒頭に出ている楽器の構え方の説明箇所で、写真のモデルになっているセーラー服の女の子。今は65歳ぐらいだろうか。誰かが写真のモデルぐらいは、途中で差し替えられてるのじゃないの?というので、最近版と40年前の本を比べたが、同じ写真だった。いいものは古くてもいいので何だが、日本のこのジャンルの教育メソードは停滞しているのだろうかと思ってしまう。もっとも、チェロでも大正時代からのウェルナー教本を使っている国だから、さもありなんか。

初回ということで今日は2名の先生が同時出席され、手分けして調弦やら何やらを見ていただいた。オケからも3名がヘルプで来ていた。最初のうちは調弦で時間がかかるのだ。私も何名かの生徒の楽器の調弦を手伝った。中にはペグが空回りするので、弦を外してチョークを塗り、再度張ろうとしたらペグの穴が小さくて弦が入らず往生した楽器もあった。調整してない楽器は困ったものだ(所蔵者は未経験者なので何が悪いのかも分からない)。他にもペグが硬くて回らない不調な楽器がいくつか。調律中に弦が切れた人もいて、私が予備に持参した弦を使って対応した。楽器の扱い方を知らない人が大半だから、トラブルが発生した時、何も出来ない。ペンチ、ハサミ、ナイフ、ねじ回しなど工具を持って来た方が無難かも。

レッスンの方は、楽器の持ち方、構え方、弓の持ち方、開放弦の音出しをやった。私も構え方からチェックしてもらった。かつて習った先生からは、ネックが下がるとダメ出し注意されたので、常にネックを水平に構えようとする癖が付いている。それをやるには顎当てを強く挟む傾向があり、脱力に反するということで、O先生からネックを下げて構えるやり方を指導してもらった。鎖骨と顎の骨をてこのように組み合わせて楽器を保持する構えである。顎当てを上方から下に押さえつける必要がなくなる。同時にスクロールが多少低い位置に下がってくるため指板の上面がよく見える。左腕も低めの構えで対応できるから楽。確かにメリットを感じた。しかし今までネックは水平保持を厳守してきたので、ポジション移動の際などに違和感が出そうな予感がする。

弓の持ち方チェックでは(うっかり)チェロ弓の持ち方が出てしまい、指先でちょっと軽く持つヴァイオリン弓の持ち方を思い出すことになった。右手の手首の曲げ角度は、指導者によって見解が分かれる箇所なので微妙な印象。その他、左肘が外側に出過ぎるのを修正された。そうだった。ヴァイオリンでの左腕の角度には、かなりのひねりが入るのだった。チェロにはそういうひねりがないので失念していた。5年間にチェロという横道に逸れたこともあり、忘れたことは少なくない。



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