チェロ・アンサンブル#89

10月2度目のO先生のレッスン、皆さんの都合に合わせて平日開催。5名全員出席。オッフェンバックの2重奏曲(作品49)の第3番をさらった。ちょっと暗い雰囲気の曲は3楽章構成、かなり長大である。今回は3楽章まで譜読みをしてから、いつものように一対一で合わせたが第1楽章をやって時間切れ。残りは次回に持ち越しとなった。

 

前回、メンバーの女性所有のチェロ(長期間の調整・修理の結果激変した楽器)を、再度弾かせてもらった。10月5日に試奏した時は、工房で新しい弦(下2本はスピロコア、上2本はラーセン)に張り替えた翌日、それから20日ほど経過して弦が馴染んでどう変化しているか?結果はだいぶ落ち着いて、以前から知っていた艶消しのダークな音が戻っていた。前回は、つややかで丸みのある粒立ちのいい音が前に出てくるから驚いたのだが、それは新しい弦を張った直後のみの現象だった。楽器の評価は難しい。音色は元に戻っていたが、あの楽器の悪癖だったA線が突出して鳴るバランスの悪さは完全に解消されていた。

 

 

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城下町の弦楽アンサンブル #4

毎月1回の練習をしている城下町でのアンサンブルの練習があった。午前9時の開始時間に揃ったのは私を含めて5名。あいにくの悪天候の響で遅参したメンバーが2名、楽器の運搬に難がある雨天の日はいつも欠席するコントラバスさんは今回も欠席た。

 

練習メニューは以下。

 

1)パッフェルベルのカノン(クラリネットが入る変則版)

2)あの素晴らしい愛をもう一度

3)もののけ姫

4)アメイジンググレイス

5)シュターミッツのクラリネットコンチェルト第3楽章

6)バッハのドッペルコンチェルト第3楽章

 

バッハ以外は比較的簡単。特にシュターミッツの曲は平易で弾きやすいが、同じようなフレーズを何度も繰り返すので退屈する。アマチュアでも楽しめる曲をたくさん書いたテレマンを思い出す。

 

最後に練習したバッハの2本のヴァイオリンのための協奏曲(第3楽章)は、それ以外の曲とは次元が違う。伴奏オケのパートは休符が多くて常時数えていないと落ちる危険性が高い。ソロとトゥッティが別々の動きをして絡み合うので、ジグゾーパズルを組み立てる作業のような印象もある。正確に決まれば美しいが、少しでもズレが生じると収拾がつかなくなる。実際に今日の練習でもアンサンブルが崩壊していた。

 

指導者さんが遅いテンポでオケだけ弾かせてからソロが加わったが、よそのパートを聞いていたら数えるのが遅れてしまうからソロを聞いて合わせる余裕はなかった。3楽章の頭の部分をさらっただけでも冷や汗ものだった。ここのアンサンブルの選曲はメンバーのリクエストで決まるらしいが、平易な曲とそうでない曲の落差が極端に大きい。それぞれのメンバーの好みが反映しているのだろう。

 

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北軽井沢の浅間牧場を散策

北軽井沢浅間牧場のハイキングコース散策に出かけた。同じ時期に同じ場所に行って同じ景色を見てくる秋の恒例行事。去年は10月下旬に出かけたら紅葉が終わりかけていた。今年は1週間早めたが台風19号の影響か、木々の葉っぱは紅葉する前に茶色く枯れていた。紅葉は残念だったが、ハイキングコースの途中にある天丸山(小高い丘)から眺める浅間山雄大な山容は相変らず見事だった。

 

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天丸山

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     天丸山山頂から西側に広がる浅間山と牧場の景色(午前9時3分撮影)

 

去年は午後に天丸山に到着したので浅間山が逆光気味で暗かった。今年は軽井沢に前泊して午前9時ちょうどに天丸山に登った。予報では曇りから雨になるあいにくの天候で、軽井沢の街中はどんより曇っていた。しかし北軽井沢は晴れていて浅間山が綺麗に見えたのはラッキーだった。とはいえ、晴天は長く続かず9時半ごろには雲が出て来て浅間山の上半分は雲に覆われてしまった。まさに「早起きは三文の徳」。

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                午前9時半頃撮影

 

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               天丸山の東側

 

牧場内で草をはむ牛を見ていたら、離れた場所にいた牛が私に気付いて1頭、2頭と近寄ってきた。じきにたくさんの牛が私の前に勢ぞろい。有刺鉄線に首がひっかかっているのも気にせず(?)、頭を伸ばして草を食べていた。

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これが牛乳の原料かと足元に生える青々とした牧草を見た。数は少ないが、散策路の草むらにはマツムシソウやリンドウの花が咲いていた。早朝の浅間牧場には観光客がいなくて貸し切り状態で自然を楽しんできた。歩きながら聞えてくるのは鳥のさえずりぐらい。それ以外は屋外にいるのにほぼ無音空間。静寂の贅沢さを堪能した。

 

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浅間牧場ハイキングコースを歩く時にはクマよけの鈴は必需品らしい

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ハイキングコースは向かって左側の細い道。右側は自動車道路(一般車両は走行不可)

 

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鬼押し出しのあたりの紅葉(半分枯れている?)

 

 

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チェロ・アンサンブル#88

10月最初のO先生のレッスンがあり、5名全員がそろった。前回からスタートしたオッフェンバックの2重奏曲(作品49)の第2番をさらった。アレグロとアレグレットの2楽章からなる曲で、2曲目は繰り返しが多くワンパターンの雰囲気もある。飽きずに弾き通すには工夫が必要とO先生がおっしゃっていた。いつものように生徒同士が一対一で合わせたが、2時間のレッスン時間が余ってしまったため、最後にO先生と一対一で合わせる練習をやった。

 

今日はメンバーの女性が持ってきたチェロの激変ぶりに一同が驚いてしまった。彼女の楽器はかつて私が所有していたもので、どういう音が出るのかは熟知している。ノーブランドの100年ほど前のドイツ製量産楽器である。いくらかくすんだところのある暗めの柔らかい音質が持ち味のチェロだった。今年の春、バスバーに沿って表板に細いクラックが入っているのを私が気付き、行きつけの工房で診察、即入院となった(所有者の女性はクラックが重症だとは思っていなかった)。修理期間は予想以上に長引き、5月から10月まで5か月もかかった。

 

数日前に仕上がって戻ってきたのを弾かせてもらったところ、同じ楽器とは思えないほどに変わっていた。修理前の穏やかでちょっとルーズな緩い雰囲気の発音がすっかり影を潜め、つややかで丸みのある粒立ちのいい音がどんどん前に出てくる。新作楽器の元気のいい鳴りっぷりの良さと、100年ほど経過した楽器ならではのこなれた音質がミックスされたような印象。

 

表板をはがして内部を徹底的に修理し、ペグホールを埋めて穴を再度開けるブッシングも行い、ペグも黒檀からローズウッドに交換したそうだ。クラックの手当てやニスの修理も万全で外見もピカピカ。以前の緩い発音はバスバーの膠が緩んでいた結果だったらしく、その辺をきっちり再接着した結果、音に締まりが出てきたし、4本の弦のバランスも良好となり、以前のようなA線のみが鳴り過ぎる悪癖が解消されていた。

 

修理代はかなりの金額になったが、発音が見違えるほどよくなったから所有者は大満足の様子。腕のいい職人が行う修理と調整で、それまで隠れていた楽器の潜在的能力が引きだされたということだろう。過去にも同じ職人に調整を依頼してきた楽器だが、板割れが原因で大修理をした結果とはいえ、変貌ぶりに驚いた。

 

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城下町の弦楽アンサンブル#3

城下町の弦楽アンサンブルの定期練習に参加した。8月の練習は欠席したので3回目の出席となる。このところ何かと多忙で、楽器の練習時間が満足に取れないため、音楽活動を縮小している。こちらも休みたいところだが、練習が毎月1回と少ない団体だから何か月も休めず、無理して出かけた。今回はコントラバス奏者も参加してフルメンバー(ヴァイオリンが5名、ヴィオラ1名(女性)、チェロ1名、コントラバス1名、クラリネット1名(女性)がそろった。練習メニューは以下。

 

主よ人の望みの喜びよ

G線上のアリア

アンダンテフェスティー

ヴィヴァルディ「夏・1楽章」

ヘンデル「水上の音楽」からホーンパイプ

パッフェルベル「カノン」

 

この中ではヘンデルの「ホーンパイプ」とヴィヴァルディの「夏」が難しい。両方ともテンポが速くなると細かい刻みを多用する場面で指が回らなくなる。明らかな練習不足である。本番は来年5月。今から仕上げてしまうと途中で忘れるので、ほどほどにやっているが、久しぶりに日曜日の午前中9時から12時までの3時間、みっちり合奏練習したら疲れてしまった。男性奏者が大半の団体で音量が出るから、狭い練習会場(民間の貸ホールの脇にある練習室を借りている)は音の飽和状態となる。それも疲れる要因。指導者さんは同じCでも和音がハモる音程とそうでない音程があって、この場合は低めにとか高めにとか微妙な指導。2本の弦を同時に弾いてピッチを調整する方法を伝授されていた。速いパッセージを練習する時は速度を大幅に落として弾くことになるが、その場合もリズムは厳格に守るよう念を押された。ひたすら数えるということ。

 

  

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チェロ・アンサンブル#87

8月10日以来6週間ぶりにO先生のレッスンに出席した。欠席者が2名いたので3名で受講。サポージニコフの教本は8月で終了し、今回からオッフェンバックの2重奏曲(作品49)を取り上げることになった。6曲セットの曲集である。

第1番から第3番までは以前指導を受けていたS先生から習ったことがあった。4番から6番までは未着手なので同じ曲集をさらうことにした。今日は第1番をじっくり合わせた。上のパートは旋律主体のため弾きやすいが、下のパートは上のパート以上に混みあったことをしているため忙しい。順番に一対一で合わせてみたが、勘が戻るというのか、合わせる回数を重ねるごとに皆さん滑らかに弾けるようになっていった。2012年の4月にチェロ教室が開講したので、もう7年が経過している。今日の演奏を聞いていると、3~4年前とは随分と違うこなれた印象を受けた。

 

 

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チタン製アジャスターねじを試してみたら

ヤフオクにチェロのテールピース用チタン製アジャスターねじ(4本セット)が出品されていたので落札してみた。出品者は中国製チェロ弓などを頻繁に出品している常連である。商品説明にはこんなことが書いてある。

 

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「優れもの●チタン製アジャスターねじ●4個セット」

〇長さ:約19mm

〇ねじピッチ:M3

〇重さ:4個で約5g (キッチンスケール実測)

 

チェロ用のテールピースアジャスター用のチタン製ネジ(スクリュー)です。

一般的なねじピッチで、「ウイットナー」「Pucsh」「Akusticus」をはじめ、ほぼ一般的なテールピースに使えます。素材「チタン製」がポイントで、通常のスクリューの約半分程度の重さで、硬くかつ強靭です。

 

安全、簡単かつ確実に性能向上する可能性があります。「レスポンス向上」「音抜けが良くなる」「雑音が減る」「弾き易くなる」という面が期待できます。私の場合、雑音感の軽減が顕著でした。たかだかネジですが、変化をはっきり実感できることと思います。

「弦楽器のパーツ類は軽さが命」の方にはたいへんお勧めで、上の「 」内の効果が、期待どおり得られると思います。「チェロバス周辺パーツは若干重めが吉」という方は、きっとがっかりすると思います。

 

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届いたねじを早速オールドチェロのテールピース(ボア・ダルモニのフェルナンブコモデル)に装着してみた。ピッチは合致していたが、スムーズには回らずかなり固い。ねじの全長は既存の鉄製ねじよりも短いため、調律幅も狭いようだ。肝心の音は典型的な「チタンの音色」に一変した。エンドピンをチタン製に交換したのと同じくらいの効果がある。倍音が増えてやや甲高い抜けのいい音になる一方、ふくよかさは減少し、若干メタリックな艶が加味される。私の楽器では雑音感の軽減は見られなかったが、発音がシャープになる分、ボーイングがシビアになるところがありそうだ。饒舌になるため、もともと鳴り方に不満がないオールドチェロには不必要と判断し、セカンド楽器(ミッテンバルトのレオンハルト工房1996年製)につけてみた。

 

そちらのテールピースは「Akusticus」。交換したチタンのねじがこちらでは滑らかに回る。ややもっさりしていた楽器の音が一皮むけたような明るい感じに変わった。相変わらず発音はシャープで弓に対する反応性も高まり、音離れが向上した印象。くっきりした鮮明な音質は悪くない。チタンねじは、くぐもったところがある楽器には適しているのだろう。ねじのあたまは黒く着色されているため、既存の鉄製ねじと交換しても見た目の違和感はない。チタンのパーツを弦楽器に使うと、ヴァイオリン(あご当ての金具やチタン製テールガットがある)でもチェロ(エンドピンとかテールピース)でも、音の柔らかさが減少し、その代わり特有の甲高い音色感、パリっとした硬質な艶が加わる。好き嫌いがはっきり出るため、誰にでも勧められるものではない。

  

 

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