駒もいろいろ

行きつけの弦楽器工房で駒を新調することにした。その時、店主から聞いた話・・・駒もいろいろあって、同じブランドの同じグレードでも千差万別なのだそうだ。

私は数年前に某ネットオークションで落札し、自宅で干しておいたオーベールのデ・ラックス(フランス駒)を持参。それを加工してもらうつもりで行ったのだが、店主が駒をつかんでぐいぐいと曲げる仕草をしたら・・・微妙に反るというか、曲がるというか、そんな動きが見えた。 削る前の分厚い駒なのに、曲がるものは曲がるのだ。

要するに柔らかい木を使った駒だった。こういう駒は、チェロに装着後、じきに反ってくるらしい。

「うちの駒はこんな感じですよ」といって店主が見せてくれたデ・ラックスは硬くて、曲げようとしても全然動かなかった。何十枚もの駒の中から厳選して仕入れ、数年から10年ぐらい寝かせて乾燥させているのだという。

「普通はこんなものですよ」と言われた私の駒は、同じデ・ラックスでも貧相に見えてしまった。プロ奏者が駒換えをする時は、お店の在庫の駒の中から、好みの駒を選んで指定する話も聞いた。

駒は天然素材ゆえの個体差が大きいから、ネットで買うものではない。現物を見て選ばないといけない。 ひとつ勉強になった。



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