チェロ・アンサンブル #9

9月12日に地元アマオケが主催するアンサンブル会でチェロ4重奏を弾く予定で、今日は演目の「ムーン・リヴァー」と「海」を見ていただいた。

「ムーン・リヴァー」のファーストチェロには、途中でカデンツア風のフレーズを弾くところがあり重音がいっぱい出てくる。4重音、3重音の続出で左指の準備が忙しくテンポは遅くなりがち。弓で弦を叩きつけるような硬い重音は避け、分散和音風に少し崩しながら和音を弾こうとするため遅目になる。そこで通奏低音みたいに合いの手をいれてくる4番がインテンポで淡々と弾くと(本来はそれでいいのだが)、ファーストとタイミングのズレが生じる。

いつも4番を弾いているメンバーは、私の弾き癖を承知しているので、テンポの伸び縮みに合わせてくれるが、今回はアンサンブル会に出られない。そこで他のパート担当の人が急遽代役をすることに。テンポ感を合わせる練習を繰り返したが、遅れがちのテンポで呼吸を合わせるにはコツがいる。何度か先生の指導を受けながらやって、最後はタイミングが揃うようになった。

その後、ゴルターマンの「ノクターン」をちょっとやった。全体がピアノの弱音で推移する音楽である。時々クレッシェンド、デクレシェンドの記号があり、僅かな音量差で、さざなみのようなダイナミクスを付けるにはどうすればいいかという話になった。

セカンド担当の人から、「目は楽譜を見ていて音量変化の必要性を認識している。頭もそうするよう腕に指令を出そうとするが、手が言うことを聞いてくれないのです」という話が出た。音符を音にするだけで精一杯で、表情の変化を付ける段階まで余裕が無いという意味。手が言うことを聞くまで練習するしかない。ゴルターマンは、まだ先が長い。

最後に新曲のモーツアルト「フーガト短調」の冒頭をさらってみた。1番と3番、2番と4番が同じ音形で、タイミングをずらしながら入ってくる箇所を初見で合わせた。ケッヘル番号401だから、1782年(26歳)の作曲。ウィーン時代初期になる。交響曲でいえば第35番と36番の中間あたり。モーツアルトト短調は格別である。このフーガも不思議な響きがする。
 



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