チェロのレッスン 126

今月最初のS先生の個人レッスンを受けた。先生は来春遠方に転居されるため、4月からのレッスンは毎月1回となる。しかし2回以上受けたい生徒もいるので新しい先生との二人体勢で教室を運営してゆくことになった。今日はその先生(かなり若い女性。チェロケースはピンク色だった)がレッスン内容の下見に来られていた。

今回からバッハの無伴奏組曲第2番ニ短調に取り組む。今日はプレリュードの1回目。私が使用する楽譜はスラーが書いてない版を横山真一郎さんのサイトからダウンロードしたもの。事前にヘンレ版、ジャンドロン版、ベーレンライター版、トルトゥリエ版、シュタルケル版、フルニエ版、カザルス版、ロザノフ版、ショット版など手持ちの楽譜を比較検討してフィンガリングを決めていった。しかし、S先生からは「バッハは開放弦を遠慮しないで使って下さい。あえてポジション移動を伴う指使いで音程が危うくなるよりは、簡単なファースト・ポジションを多用して大丈夫です」とのご意見。

♭系の曲は、いま一つ吹っ切れないでもやもやするイメージがある。この曲も第1番に比べると内向的でほの暗い中間色を連想する(マルケの絵のような色彩感)。新しい先生は「私は2番が一番好きです♪ これは祈りの音楽です」と仰っていた。

ざっと通して弾いてみたところ、fの音程を高めに取りたがるいつもの癖や、後半に出てくる重音での4の指の音程(指の広げ過ぎ)などを指摘された。新しい先生は「右手は柔らかく動いているが、左手の構えが苦しそう。特に親指が深く入り過ぎている。ネック裏に軽く触れるだけでいいのです」とのご意見。左手の構えに問題があるのは再三注意されてきた。バイオリンの左手の型の影響が出るのだ。身体に染み付いているため、チェロ用の左手に矯正するのはかなり難しい。

プレリュードの最後の5小節は付点2分音符の重音が続く。ここはアルペッジョで弾く人、そのままジュワーっと重音を伸ばす人の両方がある。校訂譜もいろいろでヘンレ版、ジャンドロン版、ショット版は重音のままシンプルでスッキリ。ベーレンライター版、トルトゥリエ版、フルニエ版は参考例として別枠の譜面を併記している。シュタルケル版やロザノフ版は最初からゴチャゴチャと書いてある。カザルスはアルペッジョで弾いていたらしいが、音楽の友社から出ている楽譜はそっけない重音表記。どう弾くかは今後の課題で、とりあえずは音程を確実に安定させることが急務。ファースト・ポジションで取る重音だから難しいわけではないが、重音の箇所に来ると思わず身構えて、一瞬フリーズする。しばらく重音練習を休んでいたので、繰り返し練習したら指が痙攣した。


ヘンレ版

ベーレンライター版

フルニエ版

トルトゥリエ版

シュタルケル

 ロザノフ版

                       カザルス解釈版の注記
   
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