性能が低い(弓竿の剛性が低い)弓を使っている人の特徴・・・ですか

https://sasakivn.com/blog/?p=9115

・無意識に指板よりを弾きがち。
・駒寄りを弾くと音がかすれるので、結果的に駒寄りは弾けない。
ボウイングのスピードが速いので、弓が直ぐに尽きてしまう。
 結果、弓を何度も返しがち。
・弓を持つ右手の手首が折れがち(ぶら下がりの奏法)。肘は下がりがち。
・弓を指板側に大きく傾ける傾向がある。
・楽器を肩で持ちたがる(楽器の指板の向きが大きく左側に回転して保持して
 いる)。
・楽器の裏板の中心線に対して、肩当ての左脚を上げ気味に、左上がりで肩当
 てを傾けて装着する。
・弓が跳ねる。震える。暴れる。
・弓の毛を、弓竿と平行になるほどに、大きく張っている。
・弓先で圧力が抜けてしまっている。
・出る音がソフト(遠鳴りしない)。高倍音が出ない。
ダイナミクスが低く、気持ちを込めて弾いている割に、表現力が無い。
・豊かな朗々とした音が原理的に出ないので、「自分は綺麗な(小さな)音を
 追求しているのだ」と、自分に言い聞かせている。
・弦を取っ替え引っ替え試して、少しでも音が出るようにと試している。
・アタックをかける癖が付いている人が多い。

な〜るほどと思い当たる節もあるが、全部の条件が重なるわけでもあるまい。それに性能がよくない弓を1本しか持ってないとどうなるか、それを前提にして考えているようにも読める。高性能な弓から低性能な弓まで、幅広くいろいろなタイプの弓を持っていたら、どうなるの?

弓の性能に応じて、というか欲しい音のタイプにふさわしい弓を選び、臨機応変に弾き方を変えているような気がする。メリットとデメリットの両方があるオールド弓を使う時は、デメリット(腰が強靭ではないとか)は弾き方でフォローし、メリット(熟成されたまろやかな音色が出るとか)は十分に活用する方向で使う。パワーが欲しければ音色には目をつぶって、新作弓の剛弓を選ぶ。弓によっては性能の限界が低い場合もあるだろうが、そこまでして使い物にならない弓のご機嫌伺をする必要があるのだろうか。弓の違いを知らない、わからない段階の人は、この手の分析結果が意味するところは他人事、マニアックな話題に過ぎないから、練習時間と労力を無駄に浪費することになるのだろう。今回のブログには書かれてないが、そういう結果になるという主張を読んだことがある。当たっていると思う。

ちなみに私の手元には元記事を書いた弦楽器工房の主人が10年ぐらい前にドイツで仕入れてきたチェロ弓(金黒檀)がある。えらく腰が強くて容易に大音量が出るし、弾き勝手も良好で重宝している。新作弓のわりには音色もこなれ、適度に角が取れた透き通った音が出る。なかなかお目にかかれない逸品だと思う。弓の重要性を説くだけあって吟味は確かなようだ。


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