恩賜箱根公園で演奏会
今年の春から参加した城下町の弦楽アンサンブル(+クラリネット入り)が毎年、春と秋に箱根芦ノ湖畔にある恩師公園内の施設で開催している演奏会で弾いてきた。明治時代に箱根離宮が建てられた場所だそうだ。神奈川県が明治の西洋建築風に立てた2階建ての施設が会場で、レストランの座席を移動して場所を作った。壁面には富士山の写真パネルが飾ってあったり、着物が置いてあったり雑然とした雰囲気。神奈川県の役人さんがあれこれイベントをしている場所のようで、今回の演奏会も施設からの要請に応えたもの。
建物は残念なことに疑似西洋建築というのか、田舎のドライブインみたいな雰囲気だったが、窓から見える景色は極上。庭園はきれいに手入れされていて、芦ノ湖と富士山を眺めるには最高のロケーションだった。皇室ゆかりの場所に往年の洋館をしのぶ施設を建てるなら、明治時代の建築を忠実に再現すればいいだろうにと思う。
プログラムは、今年の春に年一回の定期演奏会をやった時の曲目からピックアップしたものだった。
メンデルスゾーン「春の歌」、 星に願いを、 ソングオブライフ、 軍隊行進曲
ヴィヴァルディ「春」1楽章 、 海の見える街、 さだまさし「秋桜」、
ヨハン・クリスチャン・バッハ「シンフォニーハ長調」
アンコール;花は咲く
メンバーの皆さんは1年間練習を重ねて今年の定期演奏会に臨んだが、私はほぼぶっつけ本番になった。午後1時からの公演の前、午前中のゲネプロで弾いたのが初合わせ。ヴィヴァルディの「春」ではソロを弾く場面もあった。本来、そのパートを担当したメンバーが今回は欠席したための代理演奏である。「春」は過去に何度か弾いているから、まあまあ大過なく通過。他の曲も音符の数が少ないセカンドヴァイオリン・パートの譜面をもらったので、無難に責任を果たせたと思う。聴衆は30人ぐらい来ていた。恩賜公園の名前は知っていたし、前を何度も通過していたが、奥まった場所にある庭園があんなに素晴らしいとは予想外だった。箱根関所近辺の杉並木側にある施設の入り口からは想像出来ない絶景が広がっていた。