子供オケを聞く

地元で活動しているジュニア+合奏団の定期演奏会を聞いた。名称にプラスが付いているのは大学生以上の大人も参加しているため。もともとは高校生以下限定の団体だったが、桐朋音大に進学したヴァイオリンの子もいて、大学生以上も参加可能になった由。

 

曲目はヴィヴァルディ「四季」から春  ソロは高校3年生の女子(上手だった)

 

チャイコフスキーロココの主題による変奏曲」チェロの独奏はルドヴィード・カンタ氏

 

モーツアルト 交響曲第41番「ジュピター」

 

演奏会が始まる前にロビーコンサートがあり、子供たちが「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」の1楽章を演奏した。

 

ヴィヴァルディはソロは良かったが、オケが大人数だったので(たとえばチェロは8名もいた)小回りが利かない演奏になっていた。チェロがやたらと多いのは、数年前に地元オケを一斉に退団し、子供オケに移籍した大人たちがいるためである。

 

ロココ変奏曲でソロを弾いたカンタさんは相変わらず渋い重厚な演奏を披露していたが、この曲が持つ単調さをカバー出来るものではなかった。チャイコフスキーは普通のチェロ協奏曲を作曲していたら(チェロ協奏曲は少ないゆえに)よかっただろうにと思う。

 

最後の「ジュピター」はチェロが10人に増えた(カンタさんがトップで弾いたため)。ヴァイオリンも20人とたっぷり。ヴィオラは6名、コントラバスは3名。弦はかなり分厚く、管楽器は上手なゲスト奏者ばかり。こうなると演奏は安定し危なげない。

 

ヴィオラやチェロが大人主体になるのは仕方ないとはいえ、レイトの大人の割合が増えれば音の濁りも増えてくる。子供とレイトの違いは、右手のボーイングの動きや左手のヴィブラートのかけ方を見ていれば一目瞭然だった。ということでロビーコンサートで披露された指揮者なし、ほぼ子供だけで弾いた「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」が最も感銘を受けた演奏といえる。音が柔和でピュア、清潔感があって澄んでいたのだ。子供はしなやかで柔らかい音を出し、レイトの大人は硬くて粗い音を出す。

 

 

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