城下町のアンサンブル#6

 
 
毎月1回の弦楽アンサンブルの練習に出席。午前9時スタート。レイトのヴァイオリン2名とプロのヴィオラさんがお休み。ヴァイオリン3名、チェロ1名、コントラバス1名、クラリネット1名の6人で練習をした。練習曲は以下の7曲。

シュターミッツ「クラリネット協奏曲からロンド」
ヘンデル「ホーンパイプ」
パッヘルベル「カノン」
バッハ「G線上のアリア」
もののけ姫
あの素晴らしい愛をもう一度
ヴィヴァルディ「夏・一楽章」

シュターミッツはソロを吹く女性がかなり速いテンポを希望した結果、お尻に火がついて焦っているみたいな雰囲気の演奏になった。クラリネットはちゃんと吹けていたけれど、自分で自分の首を絞めたような。必死の形相で吹いていたから、音楽の方もちょっと怖い雰囲気に。

ヴィヴァルディでは指導者からチェロの人がだいぶ突っ込まれていた。夏の1楽章にはカッコウなどの山鳥がさえずる様子を描写する音形が出てくる。ソロに合わせてチェロが合いの手を入れてゆくのだが、自分のパートを弾くだけで精一杯なのか、楽譜にかじりついていて走り出すし、音程が下がり気味になる傾向もあったりして細かくチェックされていた。ソロの担当者は余裕のある演奏をしていたから余計にチェロの不安定が目立った。練習が終わった時、今日は高音域がいつもよりクリアだったと指導者がもらしていた。欠席者が多くて小人数で演奏したから好結果につながったのかも。
 

チェロ・アンサンブル#91

12月最初のO先生のレッスン。5名全員が出席。オッフェンバックの2重奏曲(作品49)の第4番の譜読みをやった。2つの楽章を持つ曲。それぞれの楽章が長く、全部で6ページになる。ネットからダウンロードした楽譜にはミスプリと思われる不備が多く、あるはずの場所に書かれていないスラーをつけたり、音符の間違いを書き直したりの作業がかなりあった。
 
曲想はそれまでの3曲とはちょっと違う雰囲気がある。1楽章は陰りのある憂愁な趣があり、2楽章(ロンド)は快活で明るい。今日は上下のパートを全員で弾いたところで時間切れ。次回は12月27日。今度は一対一で合わせる予定。年内に6番までやってオッフェンバックは卒業する予定だったが、1月に持ち越すことになる。
 
 
 
 

ユーザー車検

恐ろしく燃費が悪かったハイオク車からディーゼル車に乗り換えたのだが、車検の時期が近付いたので、いつもお世話になっている修理工場に予約を入れに行った。ところがディーゼル車の排気ガスを計測する機械がないそうで、困り顔をされた。この場合、工場では検査が出来ないため、陸運局の車検場に車を持ち込む必要が生じる。手間がかかるから渋っている。人手不足なのだろう。

しょうがないから私が陸運局の検査場に車を持って行って車検を受け、後日、整備工場で定期点検を受けることにした。こういう車検を「前検査」というそうだ。整備の前に車検を受けるから。

ネットで予約して予約して車検場に出かけた。私はだいぶ以前にユーザー車検を経験しているけれど、久しぶりなので勝手を忘れていた。複数の建物が並んでいるので、最初にどこの窓口に行けばいいのかわからず、右往左往。受付のおじさんに相談し、検査表というペーパーをもらい、窓口で検査料(1800円)、自賠責保険(25830円)、重量税(エコ割引で2万円)の支払いを済ませた。

 

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次に見本を見ながら複数の書類に必要事項を記入。車検証に書いてある車体番号とか登録番号とか。検査受付に書類一式を揃えて提出。OKのはんこをもらったら、いよいよ検査場に車を移動させる。順番待ちの行列の最後尾に停車して待機。

 

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まもなく検査員が近寄ってきてウィンカーを点滅するよう指示された。次にブレーキランプを点灯、ワイパーを作動、ブーっと鳴らしたり、ボンネットを開けて車体番号を確認したり。

検査場内のコースに入ってからは、ランプや検査員の指示に従ってエンジンをかけ、スピードメーターが40キロになったらパッシング、ブレーキを踏んだり、パーキングブレーキをかけたり、ライトを点灯させたり。下回りを検査してもらい、最後に別レーンにあったディーゼル排気ガス検査を受けてすべて終了。検査にかかった時間は10分ぐらいだろうか。あっというまに終わった。

 

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検査終了後に窓口で新しい車検証とウィンドウに貼り付けるシールをもらって完了。かかった費用は47630円。後日、定期点検を受けるから整備費用が別途かかるけれど、ユーザー車検が安上がりなのは間違いない。それにしても民間の整備工場に車検の予約に行き、ユーザー車検を勧められるとは想定外だった。

 

 

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恩賜箱根公園で演奏会

今年の春から参加した城下町の弦楽アンサンブル(+クラリネット入り)が毎年、春と秋に箱根芦ノ湖畔にある恩師公園内の施設で開催している演奏会で弾いてきた。明治時代に箱根離宮が建てられた場所だそうだ。神奈川県が明治の西洋建築風に立てた2階建ての施設が会場で、レストランの座席を移動して場所を作った。壁面には富士山の写真パネルが飾ってあったり、着物が置いてあったり雑然とした雰囲気。神奈川県の役人さんがあれこれイベントをしている場所のようで、今回の演奏会も施設からの要請に応えたもの。

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建物は残念なことに疑似西洋建築というのか、田舎のドライブインみたいな雰囲気だったが、窓から見える景色は極上。庭園はきれいに手入れされていて、芦ノ湖と富士山を眺めるには最高のロケーションだった。皇室ゆかりの場所に往年の洋館をしのぶ施設を建てるなら、明治時代の建築を忠実に再現すればいいだろうにと思う。

 

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明治19年1886年)に造られた箱根離宮

 

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プログラムは、今年の春に年一回の定期演奏会をやった時の曲目からピックアップしたものだった。

 

メンデルスゾーン「春の歌」、 星に願いを、 ソングオブライフ、 軍隊行進曲

ヴィヴァルディ「春」1楽章 、 海の見える街、 さだまさし秋桜」、

ヨハン・クリスチャン・バッハ「シンフォニーハ長調

アンコール;花は咲く     

 

メンバーの皆さんは1年間練習を重ねて今年の定期演奏会に臨んだが、私はほぼぶっつけ本番になった。午後1時からの公演の前、午前中のゲネプロで弾いたのが初合わせ。ヴィヴァルディの「春」ではソロを弾く場面もあった。本来、そのパートを担当したメンバーが今回は欠席したための代理演奏である。「春」は過去に何度か弾いているから、まあまあ大過なく通過。他の曲も音符の数が少ないセカンドヴァイオリン・パートの譜面をもらったので、無難に責任を果たせたと思う。聴衆は30人ぐらい来ていた。恩賜公園の名前は知っていたし、前を何度も通過していたが、奥まった場所にある庭園があんなに素晴らしいとは予想外だった。箱根関所近辺の杉並木側にある施設の入り口からは想像出来ない絶景が広がっていた。

 

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チェロ・アンサンブル#90

O先生のレッスンに4名が出席。オッフェンバックの2重奏曲(作品49)の第3番の2回目。前回集中的にさらった第1楽章に続いて第2楽章、第3楽章を丁寧にみていただいた。最後にメンバー同士が一対一で合わせたが、分散和音がたくさん出てくる第3楽章はなかなか難しかった。今月はメンバーの都合がつかず先生のレッスンは今日の1回のみ。12月は20日と27日にレッスンがある。クリスマスとか年の瀬とか、もうそんな時期になってしまう。
 

弦楽器フェアに行ってきた

1日から科学技術館で始まった弦楽器フェア、さっそく初日に行ってきた。仙台で弦楽器を作っている畏友の伊東三太郎と1年ぶりに再会。彼の新作ヴァイオリンとチェロは例年のようにとろけるような柔らかい音を出していた。50年後にはもっと締まった鳴り方になりそうだが、見届けるのは無理。地下にあるホールでのプロ奏者による演奏会でも彼の楽器が使われた。今年のヴァイオリニストは癖の強い弾き方をする人で、どの楽器を使っても「ベター」とした彼女好みの音になっていた。制作者ごとの楽器の音の違いは、それほど大きくは感じられなかった。

展示場内に置いてある新作楽器(ヴァイオリンとチェロ)をいくつか弾いたが、黒澤楽器のブースにあったフランチェスコ・ビソロッティのチェロ(2013年)は、実に軽やかに鳴る楽器で、持った感じも軽く、スルスルと音が出てくる優れものだった。店員さんのセールストークによると、最近作者が亡くなったので値段が高騰する見込み。今は1000万だが将来は3倍ぐらいになるから早く買った方がいいと。ふ~ん。レナート・スコラヴェッツァも亡くなったそうだ。イタリアの大家が次々に鬼籍に入ってゆく。

私が持っているドイツのレオンハルトのチェロの最近作も試してみた。私の楽器(1996年)よりも、見栄えも鳴りっぷりもよろしかった。スクロールなどは全く造形が違う。分業による制作方法を取っている工房だから、別人の作なのだろう。この時、試奏用に借りたシャルル・バザンの弓(200万)はチョコレートブラウンの竿が細身でしなやか、腰がしっかりしていて、芯の強さと適度なずしりとした重みがあるいい弓だった。知人が持っている同じ作者のヴァイオリン弓と同一キャラなのを確認した。

島村楽器のブースでシュテファン=ペーター・グライナーを発見!さっそく弾かせてもらった(お値段は1400万超。新作とは思えない水準)。うわさに聞くスパー新作の実力には畏れ入った。オールド仕上げのデルジェスモデルで、E線の音のまろやかさと密度感はとても新作とは思えなかった。近所のブースで弾いたファニオラ(900万円台)といい勝負。新作だから健康状態はいいし、音量もある。音色はマイルドで刺激的な要素は皆無。テツラフみたいなソリストがレコーディングにステージにと活用する理由がわかった。
 

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今回もシメオネが来ていたモラッシ・ファミリーのブースにはシメオネの子供の楽器が展示されていた。モラッシの孫である。私が持っている1983年のGBMの相場を聞いたら、「よい投資をなさいました。お大事に」だって。
 
この頃は消耗品を売るブースが減ってしまって残念なことだが、最近注目されている羊羹みたいな松脂Leatherwood Bespoke Rosinのメーカーが出展していた。業者向けの卸値が表示されていたので、日本の店頭価格は仕入れ値の5倍前後とわかった。
 

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18時20分から鑑定家のエリック・ブロットと、ヒルで働いていたフロリアンレオンハルトの講演会があった。ブロット氏の話はデンドロクロノロジーCTスキャン、UV撮影などの技術的な説明がメイン。講演会もそれなりによかったが、マツオ商会のブースにはブロットのコレクション(ポッジ、ファニオラ、カピキオーニ、ビジャッキ、アントニアッジ、ペドラツィーニなどのモダンイタリー)が展示されていた。大盤振る舞いのサービスではなかろうか。
 

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知人が撮影したブロットのコレクション
 
 
レオンハルト氏は20時間も飛行機に乗って羽田から科学技術館に直行してきたそうで、時差ボケのご様子。1900年ごろにロンドンで作られたデルジェスのコピー楽器に18世紀の作家のラベルが貼ってあった件の鑑定プロセスを写真を交えて説明していた。ニスの保存状態がいいわりに、表板のエッジの摩耗が多いのは不自然とか、板についた小傷の色が一様に黒いとか、パフリングに黒檀が使われているのは18世紀のクレモナ風ではないとか・・・素人の私が見てもデルジェス・モデルなのはわかったけれど、真贋の鑑定には2週間程度かかるそうだ。
 
最後に質疑応答があり会場内のお客さんから流暢な英語で、ヴァイオリンの鑑定作業にAIを導入する可能性の有無についての質問があった。
 
そもそもAIを導入する場合、コンピューターに誰がデータを入力するのだろう?ヴァイオリンの一流鑑定家は世界中で5~6人しかいないという。だから彼らが手掛ける高額楽器の鑑定書の発行料は、それなりの金額になる。飯の種である貴重なデータ(楽器の細部を覚え書風に描きためたスケッチなどもある)や経験を機械に預け、鑑定作業をAIに代替させるプランに喜んで協力する人がいるのだろうか?  講演会は20時20分に終了。
 

弦楽四重奏#9

今日は毎月1回開催の平日弦楽四重奏団の練習があった。ヴィオラの女性は欠席。3名でハイドン「五度」の第1楽章と第2楽章の復習をやった。第1楽章は8月に都内で披露して一段落のつもりだったから、あちこち忘れていた。

指導者さん(ファーストヴァイオリン担当)は、私のリズムカウントが甘くなる箇所を遅いテンポで何度も繰り返し練習させた。八分休符をはさんだ八分音符と付点四分音符がスラーでつながり、なおかつ後ろの音符にスタッカートが付いているフレーズを繰り返すところとか。

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スタッカートが付いた四分音符は短く切り上げる習慣がついているので、寸足らずになってしまっていたが、そこを踏ん張ってギリギリまで音を伸ばす特訓をやってもらった。一方、セカンドヴァイオリンさんは音程をだいぶ突っ込まれていた。

「五度」の譜面はシンプルだが、やるべきことが山盛りで奥が深い。ハイドン交響曲弦楽四重奏曲の基礎を作った作曲家として知られる。「五度」を弾いていると、モーツアルトベートーヴェンが尊敬しただけのことはある偉大な天才の仕事だと実感する。前者の才気走った前衛や、後者の緻密な構築性はないけれど、温厚にして円満、典雅な古典美を感じさせる作品が多い。練習時間の最後に第3楽章も通した。悪魔が徘徊するような暗い雰囲気のメヌエット。ハロウィンの日に似つかわしいおどろおどろしさ。ハイドンにもこんなけったいな曲があるのだ。

 

 

 

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