魂柱転倒

フィッティングの材質の相違でどこまで音が変化するのか?確認したくてペグとテールピースを交換してみたのだが、あっさり魂柱を倒してしまった。そういうことがないよう楽器は水平に寝かし、そ〜っと弦を緩めてペグを抜き、テールピースを交換していったのだが、楽器が膨張して魂柱が緩んでいたようだ。

午後の暑い日差しの中、弦楽器工房に楽器を持ち込んだ。この頃、音が詰まり気味でこもるから、もう少しすっきり鳴らないものかと話したら、工房の主人は魂柱の寸法を測ったり、先端を工具で磨いたり、楽器を眺めたり・・・なにやらコチョコチョやり始めた。

その間、店番の奥さんと世間話をしていた。店のお客さんの中に箱根山中に住んでいて横浜のバイオリンの先生のお宅に子供を通わせている人がいるとかで、先生を替えたらその子の上達が見違えるほど進んだとか。教え方がうまい先生につくか、そうでないかで生徒の上達ぶりがはっきり違ってくる場合が多いのだそうだ。

ヤマハあたりのグループレッスンに出ている大人は、「楽器習ってます」とお友達に吹聴したくてやってる人が少なくないので、そういう動機だと何年やってもたいして進歩しないとかも。

そんなこんなで2時間後、ようやく魂柱が立った。駒寄りに数ミリほど魂柱を近づけたそうで、随分とあか抜けた音が出るようになった。C線の低音はブリブリいって箱が鳴っているし、A線の高音は色っぽい音色とキラキラな華やかさが共存している。

ベールを2〜3枚はぎ取ったようなクリアさで響くので、びっくりしてしまった。今までのホワ〜ンとした柔らかいけど眠そうな音は何だったのだろう??魂柱調整でキャラが変わる話は知ってはいたが、今回はあまりに劇的に変化したので、とにかく驚いた。


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